生きる張り合いを求めて

現在85歳になってしまったが、今の歳になっても、ああそういうことなのかと分ることがある。どうしてわからなかったのか、まだまだ知らない自分に出会うことがある。

水彩画教室で「グリザイユ画法」と言うのを初めて学んだ、この技法は一言で言えば、先にグレー色で明暗を付てから固有色を塗るのだが実際にやってみると混色による表現豊かにならず、かえって汚くなってしまった。

まだ未完成の公園のツツジを描いた(F8)

ツツジの赤色はどんなものが良いのか、オペラ、バーミリオン、カドニュームレッドなどいろいろ持っている。先輩先生に聞いてみたら、色を増やすよりいつも同じやり方でなく混色や水分量など少し変化させたらどうかとアドバイスを受けた。

そうだ、もっと水分量に気を使おうと喜ぶ自分がいた、こんなことで感動する自分がいるんだ。そういう発見が水彩画ではこれからもまだ続くような気がした。

人間は毎日生きていく上で何か新鮮味とか目新しい刺激があると生きる張り合いになるものだ。知らなかったことを知り得た喜び、本や音楽から受ける感動、ウォーキングの道で草花を見ての癒し、TVドラマを見ての共感、いつまでも感覚や感情を大切にしたい。

そんな小さな積み重ねが人生の面白さと充実感につながると思っている。