小説「信長の原理」が面白かった

垣根涼介著「信長の原理」を読んだ。歴史文学でありながら新感覚な時代物で最後まで飽きさせない。まあ~面白い小説だった。

若き信長は蟻の動きを観察してる際に気付いたのは、懸命に働く蟻、なんとなく追従する蟻、サボる蟻がいることに気が付き、木下藤吉郎に実験をさせて得た結論はがどのような状況においても「2対6対2」の割合になる」という現象だった。

戦場での兵士の働きについても「良い動きをしている者は10人に2人ぐらいで、6人は平凡で残りの2人は使い物にならない。

つまり「2・6・2」の法則は「パレートの法則」「働きアリの法則」という定理であり、蟻であれ人間であれ、集団生活をする生物が組織体を構成した際に必ず現れる原理である。

原理に気付いた信長だが誰かが俺を裏切るというこの原理により本能寺の変で滅びてしまう、これも世の理なのか。

信長の誕生から死までを史実に則ってたどった物語だが、信長の考え、行動を描いているが・・つまるところ完璧な組織は存在しないということだ。

ふと考えたのは日本政府の組織もこの法則が適用できるとすれば、年金問題や今の統計問題など発生するのも2割の使い物にならない官僚が担当したのなかなぁ~(^.^)/~~~

著 者: 垣根 涼介
出版社:KADOKAWA
ISBN:978-4041028384
1,800円(税別)