お盆は交通事情が悪くなるので繰り上げて故郷の墓参りをした。
手桶に水を汲み、墓石の砂塵やほこりを払い、水を絞ったタオルで
墓石を拭きあげた。
持ってきた花を供えて感謝を込めて、お線香をあげた。
終戦の年に6歳で父を亡くした私には父の面影は全く脳裏から抜け落ちている。
墓前で話しかける母の姿はいつもミシンを踏んでいる姿や紡績場で
もうもうとした蒸気の中で糸を括っている姿ばかり。
母子家庭で5人の子供を育ててくれた母の苦労を思うといつも胸が痛くなる。
苦労の人生を送った母も37年前に75歳で亡くなった。
いつも見守っていてくれてありがたい気持ちだ。