「日本人の真価」の読後感

「文藝春秋」に連載されている藤原正彦氏の巻頭エッセーのフアンでいつも感心したり感動したりしている。本書は過去3年間に記載されたエッセーにいくつかの論説をまとめた一冊である。

以前、藤原正彦氏が指摘した「英語教育が国を亡ぼす」は全くその通りだと思っている。

内容は小学校から英語教育を始めるとニュースになった時に「外国語以前に、日本語でしっかりと日本の文化、歴史を学び、自分の意見を日本語で発表出来る」ようになることが大切だと述べていた。

本書でも国政、コロナウイルス、ウクライナ戦争、中国、韓国などについて鋭く、本質を射抜いているなと感心しながら読んだ。

日韓問題は価値観があまり違い過ぎることから理解は困難と思っているが、著者は韓国人は惻隠の情があり貧しい人ほど親切だった。惻隠の情があれば理解できるようになると述べているが現状からはそうなるとは思えない。

私のような凡庸な者には新聞やネットのニュースだけでは真実は分らない、自分自身の考えをしっかり持つためにも「教養」と「品格」と「ユーモア」にあふれたこのようなエッセイ集を読んで視野を広く、視点を変えてみるのも良いと思う。