春になると那須連峰の雪解け水が地下に浸み込み扇状地の伏流水となって湧き出す場所が栃木県北にはたくさんある。
この一つに「出釜(デガマ)」と呼ばれている湧水地が那須塩原市の西遅沢にあります。
那須文化研究会会長の木村康夫先生に初めて案内していただいた時は3月だったので湧水は全く出ていなかった。
田植えが終わった今の時期なら湧き出しているはずと思って探索に出掛けた。現地に着くと以前見た時と様変わりして草に覆われた状態になっていた。
木製の階段を降りて行くと予想より深く掘り下げられた感じだが、底に着くとて冷たい清んだ湧水が流れていた、思ったより水量が少なかった。
この出釜湧水地には四阿やベンチもあり整備されたら立派な公園になる。一部が刈取られていたのでこれから整備されるようだ。
「遅沢」という地名は山の裾野の沢ではなく平地の湧水が形成した地形の様子を表わしていて那須野が原の扇状地形の特色を語ることばであると木村先生が話してくれたのを思い出した。