死ぬまで生きる

石原慎太郎さんが89歳で亡くなった、このニュースで最初に浮かんだのは茨木のり子の詩「さくら」の最後の一節で、時々思い出す感動した名言だ。

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さくらふぶきの下をふららと歩けば

一瞬名僧のごとくわかるのです

死こそ常態

生はいとしき蜃気楼と

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「死こそ常態 生はいとしき蜃気楼と」・・・上手く説明できないが歳を重ねるとなんとなく分かるのです。

じんわりと心の奥に響き揺さぶれられる言葉なのだなぁ。

「無」からこの世に生まれてきて、また「無」へと戻っていく・・まさに虚無だな。

ほんのひと時に過ぎない「生」は、まさに蜃気楼のようなものだ。

だから死ぬまで一生懸命に生きるのだ!!!。

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「さくら」    茨木のり子

ことしも生きて

さくらを見ています

ひとは生涯に

何回ぐらいさくらをみるのかしら

ものごころつくのが十歳ぐらいなら

どんなに多くても七十回ぐらい

三十回 四十回のひともざら

なんという少なさだろう

もっともっと多く見るような気がするのは

祖先の視覚も

まぎれこみ重なりあい霞だつせいでしょう

あでやかとも妖しとも不気味とも

捉えかねる花のいろ

さくらふぶきの下を ふららと歩けば

一瞬

名僧のごとくにわかるのです

死こそ常態

生はいとしき蜃気楼と

コメント

  1. なさとさ より:

    初めまして。
    韓国の事を調べていたらここにたどり着き勝手にブログを読んでいる者です。
    よく考えたらもう1年ほど何となく読みに来ています。 理由は特にないのですが何となく癒されるのです。
    退院おめでとうございます。
    コロナもまだまだ落ち着かないですがご自愛ください。

    • yoichi より:

      コメントありがとうございます。なさとさ様は韓国にご興味がある様ですが差し支え無ければ教えてください。