日常のなかで広い意味で多かれ少なかれ誰もが演技していると思う時がある。
自分の存在を認めて欲しい、好かれたい、嫌われたくない、注目して欲しい、人間関係において見え透いたお世辞を言ったりすることがある。
これがもうひとりの自分であり、演技をしている自分であることに気づき嫌悪感を感じてしまう。
心にもないことを言ったりすることは楽しいことではない、しかし人間は群れて生きる、社会を作って生きるもの、社会とうまく折り合いを付けて生きて行かねばならない。
枡野俊明住職は「禅・シンプル生活のすすめ」の中で次のように述べている。
禅寺で修行していても、全ての僧侶たちが仲良くなるとは限らない。
とらわれない、かたよらない、こだわらない。つまらない執着を断ち切って、悠々と生きませんか。
あえて嫌われる必要はないけれど、同じようにあえて好かれななくてもかまわない。そんな気持ちをもつことです。
花が咲けば自然に蝶々がやってくる。木々に葉がつけば、放っておいても鳥たちがやってくる。そして枯れてしまえば再び離れていく。
人との関係も同じではないか。