日韓の間では慰安婦問題、徴用工問題、竹島問題などで両国民の感情を逆なでしてきている、今年の年賀状にも「昨今の韓国の日本に対する振る舞いには我慢出来ません」というのもあった。
お正月中にこの李栄薫(イ・ヨンフン)ソウル大学名誉教授の「反日種族主義」をじっくり読んだ感想は先ずは韓国人の目線でよくぞここまで表現してくれているなと感じた。
韓国に関心がない一般の日本人には、あまりよく理解できてなかった対立の原因を、日韓の歴史を史実に基づき検証し、韓国の主張が理不尽なものであることを韓国人が発信しているのでビックリした。
この本を手に取る韓国の人々が、中立的な感情で読んでいけば、日本との和解のきっかけになると思うがしかし反日的な雰囲気が強い現場では相当な時間がかかるだろう。
私が在韓中に発生した竹島(独島)問題については、当時、なぜそこまで反日的で過激な市民運動になるのか興味があったのでいろいろな関連書を読んでみた。
当時の感じた竹島(独島)問題(2005年4月)のページ
http://yoichi1938.sakura.ne.jp/omoide/korea_life/2005/takesima/main.html
竹島(独島)領有権問題(2004年1月)
http://yoichi1938.sakura.ne.jp/omoide/korea_life/2004/takesima/main.html
私の結論は歴史的な思いや思い込みの強さは韓国の領土かもしれないが国際法的には日本の領土であると感じた。だから毎年竹島の日に日本政府は韓国が不法占拠していると主張しているのだ。
この本では「韓国政府が独島(竹島)は歴史的に韓国の固有の領土であると証明する、国際社会に提示できるだけの証拠は、一つも存在しないのが、実情です」と断言している。
国際司法裁判所に判断を仰いだら日本の領土ということになるとこの著者は書いている。2004年、2005年当時に吹き荒れた反日運動を動かした韓国のマスコミ、学者などの知識人はこの書を読んでどう考えているのだろうか?
韓国併合、植民地支配で日本は韓国を過酷な状況に置いたし、不平等で、居丈高な態度で接してきた過去が確かにある。日本国内でも私が小学生の時に理由は解らなかったが「朝鮮人、朝鮮人!」と差別したことを知っているから贖罪の気持を持っている。
著者は日本の統治が、韓国の多くのひとたちが信じているような内容とは異なっていたことがわかる。合理的かつ合法的、そしてそれなりに平等主義的な統治がされた。だから当時の朝鮮人は、それにしたがってしまったのだ。
だからこそ、それぞれの問題は事実を明らかにして議論することが大切だという韓国人研究者の主張は傾聴すべきだ。
韓国で10万部以上のベストセラーとなったと聞くが、それでも韓国の反日が収まるとはとうてい思えない、これからこのような主張が多くの研究者から自由な発言が出てくることを望んでいる。