2004年1月

 新年そうそうに日・韓で竹島の領有権問題が再燃しました。両国が領有権を主張している竹島(韓国名・独島)をデザインした切手を韓国郵政庁が1月16日に発行することについて、日本側から公式に中止を要請したようですが韓国は無視して予定通り発行しました。

 独島切手の発行を日本の外務大臣が中止要請したり、小泉総理大臣が「竹島は日本の領土だ」と話したニュースが韓国内で波紋を広げました。

 問題の竹島(独島)は無人島で戦前は島根県に入っていましたが現在は写真のように韓国の軍隊が常駐し実効支配しています。


これが竹島全景です、韓国が作ったヘリポートが見えます


今年発行した独島の記念切手です
 
 日本政府は過去の贖罪意識があるのか大きな問題にならないようになるべく曖昧なままにしておこうと考えているようです、これ以外に現状では解決方法が無いと考えているとしか考えられません。事態を荒立てる領有権問題は現状のままとして、漁業問題として処理しようとしているようですが韓国側は当然承知出来ないでしょう。

 私自身は歴史的にも国際法上からも日本の島のように思いますが、韓国では小学生から徹底して「独島は我が島」と教育していますから今では全国民が「独島は韓国の島」と考えています。そうであるから実効支配をドンドン強化しています。この竹島(独島)領有権問題に関してはインターネットで日韓両国からの情報が多く出ていますので興味のある方は検索して読んで下さい。

 韓国人のこの島に対する強く深い思いは日本は韓国に完全に負けています、小学生でも「ドクトウ ウリ タン(独島は我々の島)」という歌を歌っています。これに対して日本は竹島問題があることもこの島がどこにあるのかも知らない日本人が多いのです。

 世界の紛争の多くが民族・宗教問題から発生してますが、民族意識も宗教意識も薄く国家意識の乏しい日本人は多少皮肉を込めて言うなら平和的な民族であるとも思います。


竹島の位置です
 
 W杯サッカーの共催や日本文化の開放などで日・韓の市民レベルの交流と相互理解は確実に深まって来ていると思っていますが日頃感じることの一つに韓国マスコミの日本に関する報道姿勢に違和感を感じます。

 先日も韓国の市民で「民族精気高揚会」とか「4月革命会」とか言う会が記者会見を開き現在の代議士の中にいる日本植民地時代の親日派の子孫に対し懲戒引退を促したというような記事(中央日報)を読むと戦後半世紀経った今日でも子孫という理由のみで罪人のような扱いを受けるこの国の「病いのような民族意識」にいささかうんざりさせられます。

 一流新聞にこのよな記事が堂々と書かれて人権問題にもならないのは「反日は正義」であるのか錯覚を覚えます。学校教育や家庭教育の日本との差なのか解りませんがこのような記事を読んでいる韓国人の意識が日本との話合いの壁になります。

 韓国の歴史教科書を読んで日本の多くの歴史教科書とは決定的に異なる内容になっています。それは何度となく現れる言葉「わが民族」という強烈な民族自意識です。日本の教科書の多くは、歴史が事実の羅列に終始するのに対して、韓国の教科書は思想的な問題により多くのページをさいて「よくやった韓民族史観」といわれる内容になっています。

 この原因は、韓国が大陸と地続きであり、歴史の上でなんどなく侵略を受け統治されたという経験があるのではないかという説があります・・・・友人の話では100回以上他民族から侵略を受けたため韓国の食事に混ぜご飯タイプが多いのはいつでも逃げられるための習慣から来たものだとの笑い話を聞きました。


京福宮の秋
 
 先日、韓国人の訪問客と食事中に「独島についてどう思うか」という質問です、ナショナリズムの強い韓国人と話し合っても所詮口喧嘩になりますから「独島は韓国の島でしょうね・・しかし竹島は日本の島と思うよ・・」と答えました。

 日本が韓国に対して竹島は歴史的にも国際法上からも完全に日本の領土だと言い張っても、韓国は妄言・妄言だと反発し話合いも拒否するだけですから一向に解決は出来ません。最終的には武力による力の衝突があるだけですが・・・そうも行かないでしょうとすれば少し冷却期間も必要です。

 韓国での日常生活ではどこに行っても日本人に対しても思いやりのある人達ばかりです、住み心地の良い国でもあるのです。このような体験から領有権問題の解決は次の世代に引き継ぎ国際司法裁判所に付託できれば良いのですが・・これも無理でしょう。 日・韓の相互理解が深まったと考えるのは相対的なものでまだまだ時間が必要です。

 



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