高齢者ドライバーによる悲惨な事故のニュースが続いている。特に4月に起こった飯塚幸三元院長(87歳)の車が約150メートルを暴走して横断歩道に突入し、母親と3歳の女児が死亡し重軽傷者8名を出す大惨事について毎日のニュースに識者の意見などが出ている。現状ではなかなか適切な対応策はないし運転に自信があっても早めに返納するしかないようだ。
私も高齢者の一人であるからこの事故について深刻に免許証返納を考えるきっかけになっている。しかし住んでいる場所は車が無かったら趣味の活動もかなり制限を受ける、付近で買い物は出来るが街中や郊外に行くにはタクシーか市バスを使うことを考えると自分の車を持ち、いつでも自由に移動できる利便性は簡単には手放せない。
警視庁が発表した「平成30年運転免許統計」では、75歳以上高齢者の免許保有人数564万人、80歳以上が227万人もいるようだ。今回の事故を起こした飯塚幸三元院長が歩くのも二本の杖を使ってやっと歩く姿をTVニュースを見て唖然とした。
高齢者の免許更新に必要なテストは、「認知機能検査」だけで、実技試験はなく実際に運転はするがあくまで指導するかたちで更新が出来る。認知機能検査の内容は、今年は何年ですか、今何時ですか、などの「時間の見当識」と、時計の針を指示通り書き込む「時計描写」、そして、出された絵を記憶する「手がかり再生」などの内容だ。
85歳以上は免許更新には「瞬間的判断力」などの内容を入れた試験をして合格できなければ強制的に失効させる制度は必要だろうと感じているがどうだろうか?、
早く、自動運転やそれを支えるインフラが出来て、どこにいてもスマートフォンで発注すれば、目の前まで車がやってきて、目的地まで自動運転で運んでくれるようなサービスが出来て欲しいものだ。
ところで、私は現在80歳だ、まだ自分の運転には自信があるし免許証の返納は考えていない。いつになったら返納するのか?と問われたら?
返事は年齢にではない、朝の6kgのリックを背負って6kmのウォーキングが出来なくなり、那須の山に登れなくなったら返納しようと思っている。
池袋の事故で最愛の妻と娘を亡くした遺族が記者会見で話した内容を車を運転する時にもう一度かみしめたい。
必死に生きていた若い女性と、たった3年しか生きられなかった命があったんだということを現実的に感じてほしい。
現実的に感じていただければ、運転に不安があることを自覚した上での運転や飲酒運転、あおり運転、運転中の携帯電話の使用などの危険運転をしそうになったとき、亡くなった2人を思い出し、思いとどまってくれるかもしれない。
そうすれば、亡くならなくていい人が亡くならずにすむかもしれないと思ったのです。
それぞれのご家庭で事情があることは重々承知しておりますが、少しでも運転に不安がある人は車を運転しないという選択肢を考えてほしい。また、周囲の方々も本人に働きかけてほしい。家族の中に運転に不安がある方がいるならば、今一度家族内で考えてほしい。