よく生きること

「みるる」と名付けられた那須塩原市の図書館には内部にカフェもあるおしゃれな図書館である。先日、那須高原に住む水彩画家の波多野正成氏の「水彩画展」が開催されていたので鑑賞してきた。私は波多野氏が描く水彩画の独特の淡い画風が気に入っている。

会場で絵に興味がある人に向けて参考になる書籍が紹介されていた。その中に「アート・スピリット」という難しそうな書籍があった。パラパラめくってみると絵を描く者のスピリットが書かれているようだったので図書カードを作り借用した。

なにやら読む前から疲れそうな気分になったが、内容は難しくなくて芸術とは何か、芸術家にとって必要なことは上手く作ることではなくて「よく生きること」であるとあった。

芸術を目指すための心得のようなものを広範にわたって記述されている。芸術家志望だけでなく、自分の思いややりたいことを貫くための心得として、一般にも通じるものが多い。

他人から学ぶことは多いが、自分から学ぶことのほうがずっと多い。途中の絵でもよく眺めれば全体がはっきりして、もつれがほどける。完成までの道筋が見えてきて、失敗をどう回避すれば良いかがわかる。

失敗作品でもつづけることである、それは自分のしたことなのだ。そしてそれが歴史であり、研究する価値は大いにある。終始、一貫して、自分から学ぶこと、自分の価値をみつけること、新しい挑戦をする者に対して力になる言葉が詰まっていた。

借りてきた「アート・スピリット」

写真を参考に感じた蓮の花をスケッチ画にした