相手を思う熱き心

NHKで放映したドラマが録画してあったので最近再生して見た。藤沢周平の「山桜」と山田洋次の「遙かなる山の呼び声」の二つの映画だった。

二つの作品は時代も舞台も異なるドラマだが、共通しているのは「相手を思う熱き心」だった。

相手を思う熱き思いは、表立って声高に語られることではない、静かに、慎ましく、けれど揺るぎなく描かれていた。86歳になった老いた私に似合わず涙が出てしまった。

藤沢周平の作品には、季節の移ろいや山里の風景が静かに描かれていたし、山田洋次の作品にも、北海道の広大な風景や、雪の中の小さな暮らしが印象的だった。

言葉に出さなくても「美しい自然」を背景に行動する姿から熱き思いがじわじわと伝わってくる。「見えないもの」がこちらの心が震えるほどの感動を届けてくれた。

朝のウォーキングで時々聞いている竹内まりやの歌の中に作詞した「いのちの歌」にもある「本当にだいじなものは隠れて見えない」のだ。

いのちの歌(竹内まりや作詞)
生きてゆくことの意味問いかけるそのたびに
胸をよぎる 愛しい人々のあたたかさ

この星の片隅でめぐり会えた奇跡は
どんな宝石よりもたいせつな宝物

泣きたい日もある絶望に嘆く日も
そんな時そばにいて寄り添うあなたの影
二人で歌えば懐かしくよみがえる
ふるさとの夕焼けの優しいあのぬくもり

本当にだいじなものは隠れて見えない
ささやかすぎる日々の中にかけがえない喜びがある

いつかは誰でもこの星にさよならを
する時が来るけれど命は継がれてゆく

生まれてきたこと育ててもらえたこと
出会ったこと笑ったこと
そのすべてにありがとう
この命にありがとう