脚下照顧

宗教的な傾倒ではなく、心のあり方について自身の生活の一部として取り入れられたらという思いから読んでいる。

曹洞宗建功寺の住職を務める枡野俊明氏の著作「禅・シンプル生活のすすめ」という文庫本。禅の教えに沿った100の法話が意識しないような事に気付かせてくれた。

禅には「脚下照顧」という言葉がある。この意味は自分の足元をよく見なさいということ、自分の足元が見えていない人は自分自身が見えていない。

家に帰った時に玄関で脱いだ靴をそのままにして上る時にチクッと心に響くことがある。

たった数秒の時間が心が忙しいだけで、自分の家だから、腰を曲げるのが面倒だからとかの理屈が付く。

忙しいとは「心を亡くす」とこの漢字の部首がこういう風に構成されている。

「心の乱れは足元にあらわれる」といわれるとこれも心に余裕がなくなっている証拠だろう。

「玄関の靴をきちんと揃える」という習慣を身につけることで、不思議と生活すべてがキリットしたものになる。生き方が美しくなる。人間とはそういうものだ。

日常生活の何気ない所作は大事。感情に振り回されず、しなやかに生きて行こうと思い返してくれた内容だ。

心を軽くしてシンプルに生きよう、本質にちょっと帰ってみよう。そう思った時に読んだら100の話しの中の言葉が直接心に届く。

紅葉が盛り、写生に行こう