茨木のり子の詩を味わった

もう直ぐお正月といっても普段の通りである、朝は歩いて来てから家の中の多少の掃除などやったが終わって一休み。

今朝のウォーキング風景

茨木のり子の詩集をゆっくり味わった。

茨木のり子の詩はいつもハッとさせられる、心に芯の通った女性なんだろうなあという印象。

「自分の感受性くらい」は説得力がある、心にズンとくる詩である。

何にも依存することなく、しっかりと自分の足で立つ。自分はこのような人生が送れているのかと、我が身を振り返りたくなる。

自分の感受性くらい

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

詩集