高野山は弘法大師・空海が開いた日本を代表する真言密教の聖地だから巡礼者や高齢者などがお参りのために宿坊に泊まり朝のお勤めに参加したり、座禅や写経などの修行ができたり精進料理も味わえるというイメージが強かった。
実際に体験した内容は殆ど事前の予想と変わりがなかったが、違っていたのは外国人の観光客の多さであった。
宿坊で心を落ち着かせる特別な体験をして、自分自身を見つめ直すきっかけにしたい気持ちがあったのだが雰囲気が外国人観光客に囲まれて戸惑ってしまった。
旅で私が感じた「戸惑い」は見方を変えると「不安」にもつながる。別の調査によれば訪日外国人の増加に不安を感じている人が多く、50~60代では6割を超える人が戸惑いや不安感を持っているようだ。
高野山や大阪城、四天王寺、あべのハルカス、黒門市場など何処に行っても外国人ばかり、司馬遼太郎記念館でも台湾人と出会ったので係の人に聞いたらやはり外国人が増加してという話でビックリした。
異なる食文化をもつ方への配慮などむろん必要だが「日本らしさ」を守り伝えることも重要だ。日本の常識は世界の非常識という言葉があるが、今や日本らしさは世界が注目し国際社会で受けいれられる時代なのだということかもしれない。
故司馬遼太郎は「二十一世紀に生きる気にたちに」と題する本の中で「君たちは、いつの時代でもそうであったように、自己を確立せねばならない。-自分に厳しく、相手にはやさしく。という自己を。そして、すなおでかしこい自己を。・・・」と言っている。参考になる考えである。
「2018年の訪日外国人客数が初めて3000万人を突破し2020年の4000万人の目標に向けて弾みがついた」というニュースがある、これからも増加は続きそうだ。
観光庁の調査では、外国人客が日本に求めている内容は「日本食を食べる」「ショッピング」「自然・景勝地観光」「繁華街の街歩き」「温泉入浴 」などである。高野山を訪れる外国人は少し違った神秘な日本の歴史文化を体験したいのだろう。