高齢化社会の衝撃

本棚にあった30年前に読んだ本を引っ張り出してパラパラと内容を読んだがこの本を読んだ時代は仕事、仕事の会社人間だったかもしれないが将来についての不安はあまり感じない時代だったように思う。

時代は変って日本が人口減少社会にあり高齢化が進んでいることは「常識」になっているがその実態はよく解っていなかった。ところが最近読んだ河合雅司氏著書「未来の年表」の内容には衝撃を受けた。ベストセラーになっているようでこれから起こるであろう日本の将来を予測している。

2015年時点において1億2700万人を数えた日本の総人口が、現状のまま推移したら40年後には9000万人を下回ようですから長い歴史の中で極めて特異な時代に生きているのだ。日本がどれだけ非常事態なのかということがわかりやすく書かれた本でした。

未来の年表に書かれている人口減少カレンダーの主な予測を並べると次のような内容で項目を見ただけでも衝撃的でこの未来予測が「政府や政府関係機関の公表した各種データを長年、膨大に集め、丹念に分析を試みてきた」結果らしいから考え込まざるを得ない。

2019年 IT技術者が不足し始め、技術大国の地位揺らぐ
2020年 女性の2人に1人が50歳以上に
2021年 介護離職が大量発生する
2022年 「ひとり暮らし社会」が本格化する
2024年 3人に1人が65歳以上の「超・高齢者大国」へ
2026年 認知症患者が700万人規模に
2030年 百貨店も銀行も老人ホームも地方から消える
2035年 「未婚大国」が誕生する
2042年 高齢者人口が約4000万人とピークに
2050年 世界的な食料争奪戦に巻き込まれる
2065年 外国人が無人の国土を占拠する

政府の対策は「AI」「移民」「高齢者活用」「女性活用」で乗り切るとしているようだが「切り札」にはならない。今後10年強で日本の労働人口は1000万人減るから「AI」で追いつかない。移民も既に他国で問題になっているように伝統や文化が破壊され日本が日本じゃなくなる。「高齢者活用」も「女性活用」も効果は限定的かもしれない。・・ということも指摘している。

人口減少にまつわる日々の変化というものは、極めて僅か、しかしその変化は日々確実に進行している「ゆでガエル」と同じで確実に温度はじわじわと上昇し、気が付いたときには命を落とすということになりかねない。

政治家は森友、加計、防衛省日報問題などの議論も良いが無駄な論争に時間を費やしていないで国としての処方箋を早くまとめるべきだと感じた。

書籍:未来の年表