本は齋藤ジン著「世界秩序が変わるとき」 (新自由主義からのゲームチェンジ)である。新自由主義に代わる新たな世界観がこれから登場するとともに、再び勝者と敗者の入れ替え戦が始まると述べている。
アメリカは現在も世界ナンバーワンの覇権国でありその地位を揺るがす国を許さない。90年代の日本がそうであり、今の中国がそうであるという。トランプ現象も「早期警戒警報」、「アメリカのシステムがおかしくなってるぞ」という警報が働いているのだと述べている。
著者は今の時代が新自由主義的世界観が崩壊する時代の変わり目であり、これからますます増加する中国の脅威に対する防波堤として日本の存在が重要視されると述べている。
国家戦略的な視点が中心なので面白く読んだが中身は米中関係と台湾侵攻のリスク、中国や欧州が今後抱える困難など、様々な地政学と国家安全保障の課題の中、日本がどのように立ち振る舞うべきかを説かれている。
現在吹き荒れているトランプ旋風がどうして起こっているのかこれからどんなことが起こるのか示唆してくれている、失われた30年を経験してきた日本人としては希望を持たしてくれる本だった。