下山で見える風景

山を登るときは頂上を目指して必死に登るが山頂では達成感を味わい途中の苦しさは忘れて大自然をしばらく眺めゆっくり休んだ後に下山する。

しかし、登山が終わった訳ではない、下山では滑って怪我をすることもある。ゆっくり歩きながら周囲の風景や足元の草花を眺める余裕が出来る。

以前、作家の五木寛之氏の著作「下山の思想」を読んだことがある。

一歩一歩、山をおりてゆくのは下山ではあるが登山の本当の意味がある、これは人生も同じであるという。

先日の茶臼岳登山は一人で登ったから、下山の途中でふと立ち止まって眼下に峠の茶屋避難小屋や周囲の風景をしばらく眺めた、小屋の屋根が朱色で美しくみえたり周囲の道筋などよくわかった

人生の終盤でも貴重な風景が見られるはずだ、終盤だからこそ見られることがあるはずだ。それに一人だと自由に時間が使える。

人生の後半の最後の時間は貴重である。家族と一緒だが時には孤独の時間も必要だ。

峠の茶屋避難小屋