いい人生でなく面白い人生

昨日は「めんどくさい」は認知症への危険信号ということを書いたが、何もしない、何もしたくない、めんどくさい、このような生き方をしていた90歳の作家が「だらだらと何もしないで過ごしてはダメだということがわかった」と言っていたのは映画の中での話。

久しぶりに映画「90歳。何がめでたい」を観て来た(フォーラム那須塩原)。シニア割で1,200円、受付には誰も居ない、券売機のようなものが並んで いるだけ、タッチパネルで観たい映画と座席時など指定し、現金を払って入場券を出してくれた。こんな時代なんだ、時代に追従できなけらば生きて行くのも大変だ。

(入場券を買ってから分ったことだが後方に若い従業員が待機してタッチパネルの操作を助けていたのを知った)

朝、9時40分からの上映なので観客は20人前後、まばら、やはりシニア層ばかり、映画の方は昨年100歳を超えたという直木賞作家・佐藤愛子のエッセイ集が原作であり、演じたのは実年齢90歳を迎えた草笛光子さんだった。

子供達が騒ぐ声を天使の歌声とか、いい人生より、面白い人生を送ってという言葉が耳に残っている。生きづらい世の中への怒りを歯に衣着せぬ物言いでつづったエッセイは思いがけず大反響を呼び、佐藤愛子の人生は90歳にして大きく変わり始める。

90歳の草笛光子さん、若々しく元気溌剌と演じている姿に感動した。

何歳になっても人間は何かをしなければいけない、その何かは人それぞれ、他人にはわからないのだ。

他者と関わり合いを持ちながら、自分を探して行く、これからの人生の道標になる映画だった。