那須野が原博物館が主催する「開拓地の民族誌」という講演会
に出席した。講師は元那須野が原博物館館長だった金井忠夫氏だった。
那須地方の開拓は「水と石と風との闘い」という話が印象的だった。
確かに那須地方は扇状地だったので原野の開発には水の確保、石塚が出来るような石の除去、この地方特有の春先の強風は現在でも起こるが高原おろし、那須おろしと呼ばれている。
開拓当初の生活は厳しく枯れ草を敷き詰めた床で寝ていた家もあったようだ。原野を開梱した鍬類の現物も会場にあった。
移住者の生活を支えた炭焼き、馬車引き、養蚕などで、明治13年に那須開梱社が出来たり、明治19年に東北線が開通し市街地が発展した。
市街地は農村の発展がカギ、農村が豊かであれば市街地は活性化するという。「農は国の基なり」と言った人も居る。
那須地方を開拓してきた先人が苦難をどのように乗り越えてきたのか、歴史を学ぶ事は現在どう生きて行くかを考えさせてくれる。
今回の一連の講演を聞いて過去の那須地方に生きてきた人々の生活や文化の一端を知る機会が持てたことに企画、運営された関係者に感謝したい。