2005年1月

   12月も中旬になれば例年寒さが厳しくなります。寒波が来ても良いのですがまだ暖かい日が続いています。
 年末の日曜日に二週連続してソウルの近郊の北嶽山(プッカン山)と冠岳山(クァナクサン)に登って来ました。 いずれの山もソウル近郊にあり市民のハイキングコースもあり初心者から上級者まで沢山のコースが整備されています。
 

   12日の朝、地下鉄2号線で安国(アング)駅に降りました。しばらく待つと目当ての612番の青色バスが来たので800W払って乗り込み約40分で北嶽山の登山口の一つであるチョンヌンの停留場に到着しました。バスを降りると登山客のための衣服や用具・食べ物などを売る店がたくさん並んでいる中を中高年の登山客で賑わっていました。同行者3名はここでミネラルウオーターを買い入山料金を一名1600ウオンを支払いすぐに出発しました。
 
市内バスのブルーバスが来た
登山口の賑わい
   ソウル市の北隣りにあるので多くの市民ハイカーで1年中賑わっているせいか登山道はよく整備されています。右手の水量の少ない渓谷伝いに雑木林の中を登って行きます。韓国の山は殆どが岩で出来ているせいなのか道の両側は大きな石が重なり合っています。道にはここで切り出した岩が敷き並べてあり歩き易いですがさすがに一時間も登るとかなり疲れます。

 休むと汗が下着に滲み込んでいるのが解ります、しばらくすると急角度の階段状の道になり、ゆっくり登っても汗が顔に滴り降りて時々ハンカチで拭わなければなりません。

 一緒に来た韓国人はもう先に登ってしまい姿を確認できませんが多分頂上のポグ門で待っていてくれる筈です。先ほどのコーヒータイムでどうにかまだ体力は残っていることを確認しつつ後ろから登ってきた登山客がどんどん追い越してゆくのを気にせずその都度立ち止まり休みます、私には都合が良い休憩時間です。
 
渓谷沿いに登山開始
岩山の風景画のようです
(クリックで拡大)
   最後の石段のような道を上がりきると石の門が見えました、ここがポグ門です。今日はここから左に折れて朝鮮王朝時代に作った城壁伝いに登ります。右側方面は白雲台836m(ペクンデ)、仁寿峰(インスボン)、万景台(マンギョンデ)などの北嶽山の主峰が眺望できました。こちらはもう少し体力をつけてから挑戦する予定です。

 ここからテナム門を目指して城壁に沿って上がったり下がったりで歩きます。前方には延々と城壁が続いています、この城壁は近世に改築したようでまだ新しい石の肌であることが近づいて見て解りました。

 城壁越しに下を眺めるとソウル市内の高層アパート群がかすかに遠望できました。前方の岩山には色とりどりの登山服が頂上付近を歩いているのが見えます、海抜は650mぐらいのはずで高い山ではないのですが山頂には木々はすくなく岩山の猛々しい風景画を見るような眺望です。

 
城壁が続く
(クリックで拡大)
白雲台訪問に続く城壁
   一番高い場所に到着したのはちょうど12時頃でした、出発して1時間30分かかったことになります、海抜693mと書いてあった表示石を見ながら記念撮影しました。食事は下山して食べることになっているのですぐにテナム門まで城壁沿いに下がり、ここからクキという街まで今度も渓谷にそって下がります。途中で大きな岩の上で食事を食べている人々を横目に見ながらの足早の下山です。ソウル市民の気軽なハイキングコースになっているのが良く解ります。
 
本日の最高地で記念写真
下山したクキ街の売店
   クキの街で「テンジャンチゲ(韓国味噌汁)」の美味しい店で空いたお腹を満タンにして帰途につきました。北嶽山は私が初めてであることから体力もあまり使わない安全なコースを選んでくれたようで4時間ぐらいのトレッキングでした、次回はぜひとも白雲台/ペグンデ(836.5m)、仁壽峰/インスボン(810.5m)、萬景台/マンギョンボン(799.5m)など三つの峰が三角形の形をなすようにして立っているところまで行きたいものです。
 
白雲台(836.5m)
仁壽峰(インスボン)
 

   ソウルの南側の境界をつくっているこの山は、北側の北嶽山と共にソウル市を南北で抱えるような位置にあります。

朝鮮王国の太祖・李成桂(在位1392〜1398年)が山と川の配置に恵まれ、風水学の吉祥地とされるソウルは盆地形状をなしていることがわかります。この風水の話は後でまた調査するとして冠岳山を先週の北嶽山に続き2週連続で登ることになりました。

 あちこちに見える岩峰が深い谷間とマッチして険わしい山の形を作っていますが、山の規模はさほど大きくはなく、都心に近いので家族連れでの日帰りハイキングコースとして多くの人々が訪れる山です。

 前日の忘年会で少し酒が入ったためか頭が冴えなかたっためもあり計画した縦走コースではなく初心者用のコースに急遽変更してもらいました。今日も(19日)天気が大変良く、地下鉄2号線のソウル大入口駅で降りると多くの登山客がバスを待っていました。バスは10分程でソウル大学駐車場に到着しましたが降りてびっくり!広場は中高年の登山姿で一杯です。仲間を待つ人、食事をする人、登山用品を見る人などでごった返しているこのような風景は日本では見られないのではと思います。冠岳山公園と書いてるゲートの前で入山料700ウオンのキップを買い、入山管理の人にキップを渡し、金さん、田さんと3名で登り始めました。

 
登山する大勢の人々が集まっていた
冠岳山公園と書いてある門をくぐって登る
 

 ゾロゾロと歩く人が多くこのまま頂上に行ったら人で溢れてしまわないかと心配になりましたが、この山はコースがいくつもあり心配ないよと笑われました。最初は平坦な道もだんだん急勾配になりました。

 この季節は林の中を朝日が通過してきて透き通るような空気を感じることができます、クヌギが多く見られましたが松やナラもありが多くは落葉樹です。ツツジがアチコチに群生しているのを見て春には多くの花が咲き乱れるであろうと想像しながら歩きましたが1時間もするとなかなか足が思ったように動かなくなってしまいました。

 
葉を落とした木々の間を通して朝日が差し込む
やっと尾根に出るとそこは屋台村であった
   一緒に来た人や、登山客のみなさん、年配の方も多いのにすいすい登って行きます。付近の人は毎日運動をかねて登る人も居るそうで足腰も丈夫になるのでしょう。

 コヒータイムを十分取ってから急な道を喘ぎながら登ると尾根に出ると3、4のテントが並び食事やマッコリ酒を販売している店があります、その周りではシーツの上で酒盛りする人達や食事をするグループ等が大きな声で話しをしていました。韓国のスタイルですと説明されたが登山という雰囲気でなく家族や仲間でハイキング気分でここまで登ってくるのでしょう。

 
あの岩山の頂上まで登る
岩場が狭く危険なので途中で止めた
 

 近くに塔のように高く伸びている岩場がここの最高峰です、ここまで来たのだからあと一息と思いそこまで登ることにしました。

 近くまで行ってみるとゴツゴツした岩が重なり合い降りてくる人に足場を空けてやりながら登りましたが足場が少なく鎖もなく、足を踏み外したら助からないと思い慎重に登ります。上の方に行くにしたがいますます危うく、私の持っている杖が邪魔になってきたと思ったら後から来た人が「それ持ってあげるから早く登れ」と急かせます、怪我をしたら大変と頂上までもう一歩のところで断念しました。

 
高い場所で一応征服した気分
澄んだ渓流の流れを見ながら下山する
   12時も過ぎたので下山としましたが下り道は頂上付近には階段が設置され比較的歩き易い。道の直ぐ脇に生えているクヌギの幹が登山客が手で支えながら歩くためつるつるに光っていました、ここを通る人が多い証拠です。1時間ほどでもと来た道に出てから渓流伝いに歩いて行くとソウル大学が見えてきました。今日は登り1時間半、下り1時間半であり次回の登山のための偵察を兼ねたハイキングのような山登りでした。


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