2004年10月
  秋になりますと韓国でも各地で祭りが開かれています、二つのお祭りを見に行きましたので紹介します。

 
   
   

水原市はサムソンの名前で世界に知れた三星電子の城下町です。この町には世界遺産に登録されている朝鮮王朝時代の「漢城」が在りますので毎年秋になると「漢城祭り」が盛大に開催されています。
今年は北海道旭川市が水原市との友好都市になって15周年目に当るそうで、これを記念して「韓日飲食文化祭り」が開かれている情報が入りましたので土曜日の就業後にさっそく水原市に出かけました。

水原市の体育館の敷地にイベント用の仮設スタンドと屋台がいくつも並んでいました。仮設スタンドの上には韓国と日本の国旗がはためいていましたので驚きました。韓国では日の丸を見ることは殆どありません、思えば3年前の小泉首相の靖国神社参拝の時には日本品の不買運動とか日本語の構内放送を中止したセマウル号の国鉄だとかかなりセンセーショナルな反日運動がありました、日韓の相互訪問も各地で中止されたのですが・・・熱し易く冷めやすい韓国人気質なのか小泉首相は今でも参拝を止めていませんが現在では全く騒がれません。とくにW杯サッカー以降日本の国旗に対する反発感情も非常に少なくなって来たことは確かです。

旭川市の人々が参加していたイベントは屋台での日本食の実演販売と約20名の「ソーランよさこい」の歌と踊りです、その後「神楽太鼓」の演奏がありました。

   
よさこいソーランの歌と踊りは迫力満点
韓国人も一緒になって踊り始めた
   

「ソーランよさこい」は「のり」が良いので韓国人気質にぴったり合いますから一緒に踊りだす人もいました、「太鼓の演奏」はリズムはダイナミックで良いのですが長い時間続くといささか単調になります・・しかしまあまあ好評でした。

屋台では日本食の試食と販売が行われ、反対側の少し離れたところでは韓国食販売テントのがあります。ここではよく知られている味の良さで有名な「水原カルビ」の販売です、韓国焼酎がテーブル上に置いてあるのは韓国人の一家でお父さん用です。カルビと焼酎は良く合いますから韓国人には一般的です。

   
日本人にはなんともオカシイ表現の火焼き物
蕎麦打ちは日本人でしたが何かしっくりしない様子

久しぶりの日本食だと思い食べてみると「うどん」も「てんぷら」も韓国食堂と同じ味です、聞いて見ますと材料はすべて韓国内で調達し韓国人が作っていましたので納得でした。日本そばも「そば粉」だけ日本から持ってきたそうですが本来の日本そばの味とは程遠く、日本食を紹介するなら材料も日本製でなければ本来の日本の味を知ってもらえないのではないかと感じました。同行した韓国人も美味しくないとい言っていました。 そういえば有名な水原カルビも肉が古くて美味しくなく皮肉にもこの点に関しては日・韓一致していました。(笑)
 
   
   

ソウルから西海岸高速道路で1時間行くと安眠大橋があります、ここを渡りホンソンICで降りて海岸方面に行くと安眠島の入り口にあたるナンダン湾というところにでます。安眠島近くの海岸は韓国でも有名な海老の生息地です。海老は冬と夏に浅い泥土に卵を産んだ後、この卵が孵化して成長して深い海に出る直前の10月頃が海老(車海老=大正海老)の収穫期になるため秋になるとこの近くの海岸ではあちこちで海老祭りが開かれます。

ナンダン里の「海老祭り」にもソウルから多くの人々が海老を食べに集まって来ます。道の両側には仮設の海老販売店が並び「海老」や「魚」が店先に並びアジュマ(おばさん)が大きな声で熱心に客引き競争をしています。この様なときはどこの店もアジュマが大活躍してます、これは日韓共通の現象です、やあ世界共通なのかもしれません。

   
日本と全く同じような「実りの秋」の農村風景
第9回ナンダン里「大海老」祭りの垂れ幕です
アジュマ(おばさん)のお客呼び込みの大きな声)
粗塩の上に豪快にドサット撒けて焼きます

   

海老は環境が変わると直ぐに死んでしまうそうです、したがって死んで出される海老は天然産だそうで、店先の水槽の中で生かされている海老はすべて養殖したものでのだそうです。旬とは言え、天然産でも値段はそれほど高くはありませんでした。20〜30匹が入る1kgが4万ウォン。田舎の人情が残っていますから同行した韓国人の交渉で海老の刺身を5〜6匹サービスしてくれました。

海老は刺身または鍋にして食べても美味しいですが、最高の味はやはり焼いて食べるものです。粗塩の上で焼く海老の匂いが煙に乗って鼻を刺激する。しょっぱい海水が染み込み特別の味付けは必要ありません。 人が多く集まるところには必ず面白い店が立ち並びます、葛(クズ)の根を絞った汁を販売する店と歌謡テープを歌い踊りながら売っているアジュマの店です。熱冷ましに用いる漢方薬で有名な「葛根湯(カッコントウ)」の原料になる葛の根は初めて見ました、かなり大きな物です。

   
「冷・生葛汁」とありますから冷たい葛(クズ)の汁です
歌い踊りながらのアジュマの歌謡テープの販売
これが葛の根っこです、大きいですね
老婆の販売には何故かもの悲しい風景ですが表情は明るい
   
朝早く出ましたから現地到着は11時頃で駐車場が空いていましたが、12時頃には道路が駐車場と化し混乱します。案の定帰り道では車同士のすれ違いが出来ず運転手同士の喧嘩までありました。韓国の地方でのお祭りは駐車場の整備が追いつかず特に日曜日には多くの車で大混乱します、なんとかしてほしいといつも感じます。



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