龍門寺

2000年7月
   ソウルから東に約69Kmのところに龍門寺(ヨンムサ)というお寺があります。韓国では有名なお寺で新羅の王様が913年に建立した由緒あるお寺です。ここには銀杏の巨木がある事でもよく知られています。

 7月の日曜日に龍仁市からマチスという800ccの小さな車で出発しました。賄いのアジュマ(おばさん)が日曜日は退屈だろうからという善意の誘いであるから、車が小さいとか中が狭く暑いとかの贅沢はいえません。感謝の気持ちで同乗させてもらいました。

 このアジュマが運転した時は良く道を間違えます。最近の韓国は道路があちこちで新設されていますから、ますます間違い易くなっています。止まって聞けば良いのですがなぜかはっきり間違えたと解るまで聞きません。韓国人に道を尋ねると親切に教えてくれますが、あまり先の事までは教えてくれない場合が多いのです。「まっすぐ行きなさい」と言うからまっすぐに行くとY字路になったりしてまた迷ってしまいます。この傾向は田舎の人に良く見られます。

 約1時間で目的地の龍門寺に到着しました。駐車料金を2千ウオン(200円)払い国民観光地という大きな看板を見ながら歩き出しました。お寺に向う入口で1500ウオン支払い、橋を渡り渓谷にそってしばらく歩くと龍の彫刻がされている龍門を通り右側が渓流左が山の細い道を登る、今日は30℃以上ある暑い日でした。が山の木々の中は涼しくとても気分が良かったです。・・・ですが、アジュマは少しお疲れのようでした。あと30分登るのは無理のようなのでここで休んで待っていなさいといい残し一人で龍門寺まで登りました。

 

日本軍・放火という文字が目に焼きつきました。

 

 

 階段をあがると正面にお寺の歴史が書いてあり「日本軍が放火した」とありました、韓国の歴史的文化財を見学すると殆どの所でこのような日本軍の蛮行の説明に出会います、古くは豊臣秀吉の時代、近世では朝鮮併合の時代です。このお寺に火を放ったのは韓国併合直前の農民を主力とした反日義兵が各地で蜂起した時の日本軍の攻撃によるものです。

 韓国の子供達は学校の教育以外にこのような場所で日本との過去の不幸な関わりを自然と身に付けているのです、韓国人はいつまでも恨みを忘れないと日本人は言うが忘れようにも忘れられない歴史が身近に多くあるのです。

 右に大きな銀杏があり、説明文に樹齢1100年、高さ41m、胴回り11m、と書いてありました。伝説によれば新羅の啓順王の子供で麻衣太子が金剛山に行く途中植えたとも言伝えられています。ここを回って裏にでると龍門寺の本殿です、熱心な仏教徒が中で頭を床につけお祈りを繰り返していました。外では観音さまに子供を連れた若い夫婦がやはりお祈りしていました。

  樹齢1100年の銀杏 若い夫婦が拝んでいました
 
樹齢1100年の銀杏の巨木。
子供連れの若い夫婦がお祈りしてました。
   私もお参りし、帰る道の端で「ぶどう」を売っているおばあさんに出会いました。値段を聞くと紙コップ一杯で1000ウオン(100円)という、めずらしいので買って待っているアジュマに食べてもらいました。ブドウの味は私にはイマイチでしたが、アジュマは美味しいと言ってくれました。歴史をたずねた暑い夏の日曜日でした。
 

ハルモニ(おばあさん)が道端でブドウを売っていました。

 


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