安東(アンドン)市の仮面踊り

2000年9月
   慶尚北道の中央部に位置する安東市は「学問と礼節のふるさと」と呼ばれています。ソウルから高速道路を途中まで使っても車で約4時間かかります。

 9月の残暑厳しい土・日曜日を使い会社から運転手と2500ccの大型車を借用し観光して来ました、仮面踊りの撮影旅行を計画していた日本の友人が安東市という所に行きたいので調査して欲しいとの依頼がきっかけで現地情報を調べている内に自分自身も一度訪問したくなり実現させました。

  地図  来年には安東まで高速道路が開通しますのでソウルから2時間半ぐらいに短縮されそうです。安東市から30キロぐらい離れたところに「河回村(ハウェマウル)」というところがあります、名前の語源は近くを流れる「洛東河(ラクトンガン)が大きくカーブしたところにある村である事から名づけられた名前です。
   河回村は朝鮮時代から両班(ヤンバン)の豊山柳氏一族が居住し、その柳一族が今も暮らす小村です、S字状に蛇行したゆるやかな川のほとりに位置した自然環境に恵まれ、多くの民族資料や有形・無形の文化財の残る韓国でも数少ない地域であると言われています。
この村を歩くと朝鮮時代に迷い込んだ感じの風景に出会えます、小道を歩いて行くと縁側で朝鮮将棋を指している老人に出会いました。
 
小道
この小道を歩いていきました
老人と将棋
おじいさんが朝鮮将棋を楽しんでいました
   伝統的な仮面踊り(タルノリ)は、1980年に国指定の重要無形文化財に指定され、9種類の仮面を用いたユーモラスかつ風刺的な舞踊劇です。1928年を最後に途絶えてしまったこの伝統芸能を、地域の青年たちが再生させるべく1977年に復元公演を実施、現在では毎週土曜・日曜日の午後2時より1時間若い人達を中心とした保存会の演技があります。この日は土曜日でしたので見学してきました。
 

仮面踊り1

仮面踊り2

   近くを流れる洛東河(ラクトンガン)とその岸辺の風景は50年前の故郷の風景を思い出させてくれました。
 
洛東河1

 
洛東河2
   安東市が「学問と礼節のふるさと」といわれる理由は日本の朱子学にも決定的な影響を与えたといわれる儒学者李退溪(イ・テゲ:1501−1570)の出身地であり、市街地の北郊には李退溪の蔵書を伝える陶山書院(1560年建設)など関連する史跡があります。李退溪は「東方の小朱子」と称される人物で嶺南学派を形成したといわれています、朱子学(儒教)については勉強不足ですが韓国儒教の総本山といわれる理由はこんなところにあります。

           この李退溪の肖像は、韓国の現行1000ウォン紙幣にも描かれている人物です。
 
   

 


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