トルチャンチ(満1歳の誕生日)

 今日は土曜日なので半日勤務で帰ろうと準備していると、管理部の課長の子供が「トルチャンチ」なので一緒に行きましょうと誘いがありました。

 いつもの事ですがこのようなときは突然誘いがかかるのが普通です、用事があれば断っても別に失礼でもないようですが同行することにしました。

 先週も現場のリーダーがアパート(日本のマンション)を新規購入し「チップトリ」(新築祝い)にその日突然招待を受けました、日本人に比べ時間や親密感が接近しているのを感じます。

 韓国では子供が生まれて百日目と満1歳の誕生日にお祝いの行事を行います、特に満1歳の誕生日には親戚、親しい友人を招いて「トルチャンチ」を行います。
「トル」とは年齢で満1歳を表します「チャンチ」とはパーティーを指します。 昔は韓国でも子供の死亡率が高く満1歳の誕生日を迎える事ができたのは人生の大きな節目と思われていたようです。

イラスト
 会社の専務とトルチャンチの行われている町の食堂に行くと課長夫妻と親戚縁者が大勢集まりお祝いの食事をしていました、昔は家に招いて肉、魚、野菜、果物をお膳に供え子供の成長を神に感謝したようですが、最近は食堂やレストランに集まりパーティー形式で行うのが一般的です。

 トルチャンチにはお祝いに来た親戚縁者はお祝いとして金の指輪を贈るのが普通です、 この日も誕生を迎えた子供の小さな指に沢山の金の指輪をつけて写真を撮ったようです、(韓国の貴金属店にはこの時のための小さな指輪が常に揃っています、また庶民が贈る指輪の価格は5万ウオン(5千円)位です。)

 この時贈られた指輪は子供が成長してから溶かしてメモリアルリングなどになります、一昨年の通貨危機の時、外貨に換えようと韓国の各家庭から提供された金の中には多分この指輪の金も含まれていた事でしょう。

 最近では金の指輪よりお金に変わったり、子供の将来を占う儀式も省略する傾向があります、時代と共に「トルチャンチ」の形態が変化しても子供の成長を願う親の気持ちは変わりません。


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