韓国での生活で一番頼りにしている人に「金アジュマ=金おばさん」がいます。アパートでの賄いをしてくれる「金アジュマ」は毎日、韓国第二位の大宇自動車で生産している「ティコ」という800ccの小型車で通勤してきます。
この車は91年に日本のスズキ自動車と提携し開発した車で、アジュマが乗ってくる車は92年製で走行距離が10万9千キロになります。2年前に50万ウォン(5万円)で買ったとのこと、まあよく走っている車ではありますが、しかし、かなりのご老体であるので時々故障も出ます。
半月前はフロントカバーから煙が出ました。エアコン用のベルトが焼けたためで、この修理代が10万ウォン(1万円)でした。あまり乗りたくない感じがしていたところ日曜日にどうしても乗れというので高速道路に出たとたんにまた煙がモクモクと出ました。フロントカバーを開けるとランプ用の電線がショートし焼け爛れていました。この修理代が20万ウォン(2万円)でした。
アジュマの運転は非常に上手い、高速道路では100キロ以上で飛ばすし、車庫入れなどを見ても相当年期が入っている感じがします。ただ、田舎の交差点では一時停止をしないことが多い、何故かと聞いてみると後ろから追突されるから停止しない方が安全だとの事。韓国でのドライバーの運転状況を観察してみると「運転するときは誰も規則を守らない」と思っているフシがあります。自分が守らないから他人も守らないという「他者不信」があります。以前どこかのHPで韓国は基本的に不信社会だとの主張がありました。
「不信社会」というのは言葉は悪いが思い当たる事もある。不信社会を象徴する事象に防犯設備がります。ソウルの住宅塀の高さやその上に張り巡らされた金網などを見ると日本よりずっと厳重です。 私が住んでいる田舎のアパートでもカギは二個付いており、その上に防犯モニターが全ての部屋に取り付けられていて訪問者を事前にチェックできるのです。
空き巣や泥棒が日本より多いという話は聞いた事がないのでこれも「不信社会」の現象かなと思ってしまいます。 |