付近の人々も大変親切で秋のアパート全体の野外パーティでも皆、肉や焼酎を勧めてくれます。11月の末から12月になると何処の家でもキムチを漬け込みます。最近はソウルや若い人はデパートでキムチを買うようになったと聞きますがここでは家族や隣近所の人と一緒にキムチの漬け込みをします。
日曜日の夕方の散歩途中で見かけた風景です。私が見ていたらアジュマ(おばさん)が「日本から来たのか?」といってくちの中にキムチを入れてくれました。 食べてみるとサクッとした歯ごたえがみずみずしく、ピクッとした辛さが口の中にあふれ、その後でジワッと滋養がにじみ出てくるような感じがしました。
ほかにおかずが無くても、これだけでご飯が何杯も食べられそうな味わいに長い伝統と厳しい寒さの中で培われた韓国の「底力」を感じました。
経済危機により国際通貨基金(IMF)の指導のもとに韓国経済が運営されていますので「IMF」という言葉が日常用語になっています。大人から子供まで「IMF」を日常会話の中で使っています。 食堂に行くと価格を少し下げて「IMF価格」としてメニューにあります。またデパートでは「IMFバーゲンセール」があり、バスや地下鉄の値上げも「IMF価格」と言うことになっています。
企業が受注減のためと銀行からの支援が受けられず倒産しています。このため従業員の給与のカットはむろん、倒産による失業者が増えています。私のいる会社でも国内需要の縮小により色々な対策を実行中です。先日も社長の朝礼があり3月は給与が平均20%カットされるという話がありました。現場できいてみると意外にも従業員は「IMF時代であり会社が無くなるより、少しの間は我慢しなければならない。収入が減った分支出を切りつめます」と話してくれました。
今や一般市民の中では「当然受け入れるべき質素なライフスタイル」を意味する言葉として受け止められているようです。周りの韓国人は非常にフレキシビリティーがあり、頭の切り替えも早いです。時代の流れにいち早く順応し、全員が国のために一致協力しています。
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