最近感じたこと

99年7月

 韓国経済にもようやく明るさが出てきた感がしてきました、最近の新聞では今年の成長を4%程度は達成できると予想しています。

大陸会社も最近、A社との製造委託事業の開始や中国のH社との取引き開始など新たな事業の拡大が開始されました、また5月以降売上げも昨年より20%から30%増加しています、この状況が続く様に願うと同時に日頃感じながらも厳しい経済環境の中で生き残りをかけた対策を実行してきた成果が出て来たのかなと考えています。

最近、社長が新工場の建設計画の話を持出しましたのであえて下記のような内容につき指摘しました、日本人が韓国企業の問題点を話す時に出てくる内容となぜか同じになりました。

調印式
日本のA社との製造委託契約の調印式です

  1. 大陸会社の課題

    (1) やはり企業は「人」です、従業員を大切にし教育訓練し育てない会社は衰退する事は多くの企業の業績が証明しています。

    • スタッフの出入りが激しすぎます、3年間に製造部長が2回、生産部長が3回、貿易の窓口が3回退職して代わりました、現状では各個人のみに技術、能力が残り結果として工場には蓄積されません。
    (2) 製造業として深さのある専門技術をもつ必要があります、他の会社に真似の出来ない商品開発です、物真似商品から独自の商品への転換が必要です。
    • 全ての製品はUL,CSA,CE規格を取得し世界に販売できる商品。
    • 隣りの巨大市場である日本で売れる商品の開発。
    (3) 基礎的な評価設備と製造設備の整備、拡充
    製造業を続ける以上、必要最小限度の設備は更新していく必要があります、現在有るからとか、外注に出せば良いでは自社技術は育ちません。
    • 各種機構部品の精密測定器、各種電気測定器の購入などはそれほど高価なものでは有りません。計画的に最新のものにしてほしいのです。
    • 3次元測定器、治具フライス盤、精密プレス等は高価ですが絶対必要なものです将来更新出来るようになったら是非お願いしたい。

  2. 工場の職場環境の向上

    (1) 人間が長い間働く工場では、その環境の向上も必須条件です。
    • 工場の新設より現状の改良で有効に活用できる場所が多くあります、これを優先すべきと思います。大きな金額投資は設備機械の更新に使うべきです。

大陸は中小企業ですが製造、販売の連携は大企業的になってきているような感じです、工場と営業がお互い主張しあうのは良い事ですが、お互いの意見を集約し方向を一致させ行動を起すのが重要です。

また資金の裏付けの無い開発指示は足を縛って走れと言うのと同じで実務担当者が悩むだけです、重要な案件は社長が判断し行動も一緒にすべきです。

以上

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