韓国式接待

2000年5月

外国の重要なお客様が初めて訪問した時などには儀礼としてもまた親しい関係を作る手段としても接待をします。韓国の接待の仕方も食事だけの場合も有りますし、また逆に夜の接待をしないこともあります。しかし東方儀礼の国と言われる韓国ですからやはり接待は多いですね。
夜の接待は女性が裏で支えているのはどこの国でも同じです、究極の韓国夜の接待内容を披露しましよう。

  1. ルームサロン
    夕食のあと車で案内され降りるとビルの地下に降りて行くのが一般的です、階段を上がることはまずない、カラオケとダンスが出来る大きなフロアーを横切り部屋に連れて行かれる。「広くて立派なソファーの部屋!」というのが、第一印象です。

    部屋に入り座るとしばらくして、若いホステスさんが来る、ホステスさんじゃ雰囲気出がないので、「アガシ(おじょうさん)」とします。

    最初は、談笑の時間でアガシとの軽い話題の話をする。しかし韓国語が出来ない人は愛想笑いがせいぜいだが招待する方も日本語が出来るアガシを必ず一人は準備します。


    ビール、ウイスキー、グラス、ミネラルウオーター、氷入りグラス、 細く小さいコップ、おつまみ、「するめ」が並ぶ。後から果物がドーンと出てくる。

    先ずビールで乾杯をするのが日本人のお客のスタイルだ、その後はウイスキーを円筒形小型グラスで、ストレートで一気に飲みお客にグラスを渡しウイスキーを注ぎ飲んでもらうのが韓国式だ。客が一口飲んでテーブルに置くと自分の物と2個になる、これを見て・・「あー!それはメガネだ!」それはいけない事になっていると言われる、お客はもう飲まざるを得ない。

    生き残るには、まず ビールを少しずつ飲むか、薄い水割りぐらいしかない。


    30分くらいすると、ギターとカラオケセットを持った男(アジョッシ)が入ってくる。カラオケの曲名を言えば、このアジョッシがさばいてくれる、日本語の歌も最近の若い人の歌を除けば大体OKだ。

    盛り上がる。そうすると、お客様とアガシが踊る。チークダンスはセクハラ状態だ。

    特別なルームサロンに行くとテーブルの上で踊り出すアガシもいてお客がお金を胸に挟んであげると服を脱いでくれる、むろんお金の金額が高いと脱ぐスピードも脱ぎ方もそれなりに変わる、・・らしい?。


    酔ったお客はとにかく待機していた社長車に早く乗せてホテルヘ送り出す、また時にはお客がアガシと一緒にどっかに行ってしまうこともあるが後はお二人の問題で当方は関知しないことにする。

    このようなルームサロンの値段は一人2万円から3万円ぐらいで庶民とは無縁の所である。

  2. キーセンハウス
    いわゆるキーセンパーテイである、このキーセンとは昔宮廷に使えた芸妓の名称である。
    車を降りると男が案内してくれる、壁に囲まれた昔風の門を入ると玄関口がありチマチョゴリ(女性の韓国服)を着たおばさんがオソオセヨ(いらっしゃいませ)と挨拶してくれる。

    大きな部屋にはいると奥の壁に韓国のタンスと屏風がある、タンスなどは貝細工の立派な、いかにも高そうな物がデーンと置いてある、むろんオンドル部屋だ。その前にテーブルがあり促されて座卓付きの布団の上に座る、座る順序はまあ日本とあまり変らない。
    さっき玄関で出迎えてくれたおばさん(実はここのママさん)が日本語で挨拶してくれる(すごく上手い日本語だ)その後、チマチョゴリのアガシがぞろぞろと入ってきて部屋の隅に並んで座る。


    テーブルの上には簡単なつまみがあり、アジョシ(おにいさん)が最初の食べ物を運んでくれる間「アガシを選んでください」といわれる、日本人の殆どが反応を示さないアガシをだだ見ているだけでなんともキマヅイ雰囲気になる。
    こちらで気をきかせ上位のお客から美人のアガシを選んで右隣りに座らせる、この間韓国語でママさんと2番目のアガシは日本語が上手く出来るか、とか性格はどうかとか話をして決めるが韓国語の解らない日本人はただ黙っているだけ。


    右隣に座ったアガシが今夜のパートナーということになる、最初におしぼりと「おかゆ」が出てくる、「おかゆ」食べ、ビールで乾杯となる。あとはウイスキーのストレートが主流で韓国焼酎などの庶民の飲み物はここには無い、ウイスキーを少し飲んでしまえば後は成り行きに任せられる、但しお客様がどうもアガシが気に入らない様子ですとママに韓国語で話して取り替えて貰う、このタイミングを逃がすと後がひどいことになるので何気なく観察するのが接待側の重要ポイントである。このようなハウスには100〜200名ぐらい登録されているらしいからいくらでも取替えが効く・・・?。


    ウイスキーのストレート飲みが始まればビジネスの話は無用で隣のアガシとの話が弾む・・、韓定食のフルコースは圧巻である、次から次に出てくるが私が美味しいと思う料理は少ない。


    1時間ぐらい過ぎると別のアガシと楽師が入ってきて韓国の伝統音楽に合わせて歌と踊りを披露してくれる。アガシはみんなスラーとした美人ぞろいである、隣の美人のアガシから食べ物を口に運んで入れてもらいながら哀愁を含んだ歌を聴き、韓国伝統の踊りを見る、初訪問のお客さんはこれで韓国が好きになる筈だ。


    またしばらく食べたり飲んだりしていると、今度はアジョシがカラオケセットを持って入ってくる。カラオケの始まりだ。
    この時間になるとすっかりパートナーとも打ち解けて歌とダンスが始まる、ダンスはチークあり、ジルバありで汗をかく、頃合いをみてお客さんに「楽にしましょう」といってお客さんのズボンを脱がせアガシが着ている下履き(丁度ステテコに似たもの)と取り替える。これはこちらの社長のスタイルで毎回やる、どうしてもヤダという人もいるので無理強いは出来ない、経験では、90%はOKでした。


    盛り上がると皆でディスコダンスが始まる、まさにドンチャンサワギとはこのようなことを指すのである、スタートから2時間半は経過した。

    最後にその席にいるアガシ全員でダンスだ、昔から伝わっているらしいが韓国版ラインダンスと思ってほしい、これがお開きの合図でもある。

    お値段であるが上記のような高級レベルだと一人5万円である、少し内容を省略するとしても3万円以上は覚悟してほしい、ここもまた庶民には無縁な場所である、最近はさすがに費用と効果を考えてル−ムサンロンで学生アルバイトを利用することも多くなった。

    終盤での大切な事は今晩アガシをどうするのか、ということが重要である。ここからは個人的な課題であるからして・・・神経を使うのである。 個人の自由意志を尊重し、かつ男の秘密を共有化しながらソウルの夜はふけて行くのである。

  • 日本の近代化の裏面ではフジヤマとゲイシャが必要であった、ここ韓国でもこような女性が韓国の近代化に裏で貢献して来た筈である。
    この方面に興味のある方は[(有)新 幹 社]発行・申 秀 著(韓一神学大学助教授)「韓国風俗産業の政治経済学」を読んでください。

  • 最後にここで使用した写真はこの記事と全く関係ありません事を付記します。
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