必死の経費節約

98年8月

IMF体制に入って半年が過ぎました。これから本格的な企業整理が本番を迎えます。財閥系の55社に始り、銀行の5社、それに今後中企業の整理の発表があるようです。

こんな雰囲気の中では各企業とも設備投資が出来る状態ではありませんから、商品の受注状況は極端に少なくなっています(対前年比:約40%)。

売上が無ければ支出を押さえねばなりません、この会社は既に従業員の削減や平均10%の給与カットを継続していますしボーナスも支給されていません。その上の経費削減ですから大変です。

最近、実施した経費節約は食堂の外部委託化です。
韓国の企業の昼食費は全額会社負担ですからほとんどの会社は食堂を持っています。この会社の食費が2名の食堂従業員の人件費と合わせると毎月6百万ウオン(1食当たり1300ウオン)かかります。これを外部業者に依託すると月当り4百80万ウオンになり毎月1百20万ウオン(1.5人分の人件費相当)の節約が出来ますので直ぐに実行しました。むろん今までの食堂のオバサンは辞めました。正確には辞めさせられたのかも知れません。

しかし、少したってから外部委託業者の食事の味が良くないと言って現場のオバサンが連名で食事の味の改善要求を社長に直接提出しました。
この程度の問題は何故幹部が調整できないのかと社長が怒っていましたが、従業員の心情を思うと毎日一生懸命働いているのにいつまでも給与カットしている社長に対するせめてもの鬱憤晴らしとも思えます、今回の一連の出来事は今の韓国ではどこでも起る悲しい内容でした。

職場で真面目に働いている人々が早く報われる日が早く来るように韓国政府に対し切にお願いしたい気持ちです。

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