98年7月
日本向けの輸出が増えてくると必要にせまられ日本語や日本に対する勉強が始まっています、貿易課の若い人が読んでいた本の中に日本人に対してビジネスを行う場合の注意事項が載っていたので紹介します。全く日本人と付き合うのも大変ですね。
- 挨拶
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- 韓国人同士が会うと初対面でも必ず握手をするが日本では相手から握手を求められた時以外はお辞儀だけが無難です。韓国人の方が「対人距離」が短い、日本人
と接する時は「一歩下がって」と心がけると相手に安心感を与えます。
- 訪問の要領
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- 時間は必ず守るように、手土産は果物、酒は韓国でも同じだが日本では箱詰めされた菓子も良く利用されます。韓国人には「お菓子=子供」のイメージがありますが、日本人には一番無難な手土産です。帰る時、「ではそろそろ…」を言うと「未だ良いじゃないか」と引き止められますが「これは社交辞令」ですから注意しましょう。
- 電話の要領
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- 敬語の使い方に注意しましょう。自社の先輩、上司の話しをする時は尊敬語を使わないよう気をつけましょう。
「金社長、いらっしゃいますか?」と尋ねられた時、韓国のように「社長様は今いらしゃいません」のような言い方は韓国人には一般的であるが日本人には「常識がない人」と思われるかも知れません。
- 食事の接待
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- 日本では鍋ものを除いては、一つの皿のものをみんなで食べる習慣がありません。最初はおかずが、一人一人に小さい器で出てくるような店を選んだ方が無難です。
年配の日本人は食べ残しに罪悪感を感じる傾向が強いため、食べきれないほど注文してはいけません。
- お酒の接待
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- 返杯の習慣はないので気心の知れた人以外は、しない方が無難、またグラスに残っているうちに継ぎ足すのが普通でお客さんのグラスが空になるまで気がつかな
いのは「気の利かない人」と言うことになりがちです。
酌をする時、される時、相手が目上でも片手を添えない事が多いです。これは単なる習慣なので「失礼だ」と腹を立てないように。
- 連絡のタイミング
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- 韓国人は連絡が急だとの感想をもつ日本人が多い、一般的に日本人は韓国人に比べ連絡を早めにする傾向がある、先方が予定を立てられるように日本人との付合いは「早め早めの連絡」を心がける事が必要である。
- 贈り物について
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- 日本では個人的付き合いでは贈り物を貰ったらそれと同等のお返しをするのが一般的的です。細かいことですがいつも贈り物のやり取りはプラス、マイナス、ゼロにするのが長く付き合うコツです。
最後に私がこの会社の中で対日本ビジネスで日頃感じることは、日本人は何事も杓子定規で原則通りに物事を進めます。特に組織が大きな所との交渉ではこの傾向が強く出ますので大きな壁となり乗り越えるのに大変な時間がかかります。
韓国側では契約や決まり事に対しての解釈に日本よりかなりの幅があります、自分の解釈に対しても広く考えますが他人に対しても心が広いところが有ります.
ですから身内同士になると本当に困った時に頼りになる優しい人々ばかりです。
これらが日本からみれば韓国側を約束違反やルーズな考え方とし映る時がある様ですし、韓国側から見れば日本側を融通の効かない島国根性的考え方として映るようです。まあ国同士でも相手の立場に立って考える事がビジネスでも言える事です。
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