2002年4月

先月は中国からの黄砂でどんよりした日が続いていたが今月の韓国はケナリ(れんぎょう)、チンダレ(つつじ)の春が足早に通り過ぎて若葉のさわやかな季節になりました、最近は「もの作り」より販売関係の仕事が増えています。

 

[15日]

 

半月ぶりに訪韓し本日より出勤したました。早速現場の巡回です。変わったところはというと、食堂が整備され食事も専門の給食会社と契約したことです。食堂の正面の壁に「全社的ERP発足式」の看板が見えます。以前に社長が話していたERPシステムの導入が決まり全員集めて発足式があったようです。日本人からみると多少オーバーなセレモニーに見えますが、こういうことがわが社長は好きなようですね。


ERP(Enterprise Resource Planning)は、ひとことで言えば、企業の基幹業務向けの情報システム・パッケージのこと。受注、 部品購買、生産、製造、配送、販売、会計という企業における一連の業務の流れを扱う全社的な情報システムの業務パッケージです。特に、業務と会計機(財務会計、管理会計)との連携が大きな特長となっています。今回契約したERPには人事機能なども備えています。

 
幹部が勉強しているERP教本
ERPプロジェクトチームの部屋

ERPはドイツに本社があるSAP社のERP製品「SAP R/3」がもっとも知られています、今回導入するのもこのパッケージ製品を中小企業向けにカスタマイズしたものです。価格は合計7千万ウオン(700万円)です(ハード:2千万ウオン、ソフト:5千万ウオン )

社長にはシステム導入の前に計画が計画通り実行できる体制作りがまず必要ですと話しましたが・・・この点は走りながら考るようです。物作りの点では多少の問題があっても「まずやってみよう」というのがこの会社の方式です。

 

 

[16日]

 

日本からのお客様の接待の日、ソウル郊外にある韓国では一流のゴルフ場に予約をしたが朝から雨でした。時間通りゴルフ場に到着し着替えて食堂でコーヒーを飲んでいるとゴルフ場のアガシから本日はCLOSEになりましたと通告です。芝が傷むので雨が一日中降り続く予報なので申し訳ないが帰ってくれとつれない返事です。せっかく日本から来たのに・・と交渉したがやはり駄目です。やもうえずソウル観光とスパーマーケットなどで買い物してこの日は終了。

 

[17日〜18日]

 

中国規格の取得のため申請していたが商品のテストが終わったので工場審査のための規格認定機関から担当者の訪問の日です。調査官は36歳と34歳の若い中国人です。事前情報では工場審査は名ばかりで観光が主体ですと聞いていました。
が実際にはなかなか厳しい審査でした。受け入れ検査場で「不良は赤ラベルで返却し、合格品は黄ラベルで倉庫に保管する」とここまでは良いのですが実際に部品倉庫に行くと黄色ラベルがあったり、無かったりで相変わらず細かいことでは基準と実際に差が出てしまいます。

 
現場での説明
金型の修理に関して

 

審査内容はISO9001の審査基準とほぼ同じ、2日間朝9時から午後5時までびっしりチェックしました、夜の接待もお酒を飲 まないので食事だけです、韓国側の担当者は緊張が続いたようでした。どの国にでも若い人は純粋です、基準どおりの調査 をしましたから説明の内容と現場での話が時々違っていましたが総合的には大きな問題ないという事で後日合格の正式通知 がある筈です。

 

[20日]

 

日本の友人からW杯サッカーの入場券が手に入らないか以前から依頼をされていました、韓国では入場券が40万枚売れ残っている話もあり、地方の開催地は比較的すぐに手に入るようです。ソウル近郊の水原会場のC席が6万7千ウオン(6千7百円)で2枚入手できましたので、早速日本へ連絡しました。

現場巡回で鍋にプラスチック部品を煮ていました?なぜか・・聞いてみると「ハンドル用連結レバーが硬くなり手で圧入できなくなったので、アニールすると簡単に入ります」との回答です。早速責任者を呼んで皮肉を込めて「鍋で煮るような食堂でするようなことをなぜするのか?」と指摘しました。

次ロットまでに材質、成型、寸法を見直し真の原因を調査し対策する事としました。問題の解決の方法に少し問題がります。最近若い技術者が増えているので問題の現象からの安易な対策へ走る体質を変えなければなりません。他の組立て現場では以前から指導していた「カンバン生産方式」がようやく軌道に乗ってきました。これで仕掛量やスペースの削減、欠品がなくなる筈で、期待しています。

アニールと言うが・・
カンバン生産管理のスタート

 

 

[22日]

  月曜日の朝机の上の電話機が変わっていました。なぜ?と聞いてみると休みの日にデジタル交換機に切り替えたとの返事今日からは番号が違うらしいのです。なんで番号表を準備して切り替えないのか?しかし走りながら準備するのが特徴です。目標が決まれば行動は早く、すぐに番号を貼り付けに来てくれました。

最近の生産量の増加にともない仕掛品置き場や梱包方法に問題が出てきました。工場長と製造課長を呼んで仕掛品の必要量を決め表示すること、梱包形態(数量・容器)に関して総合的に検討し改善して欲しいと依頼しました。

こんな状態ではだめだ!
設計者が修理中
 

設計室に行ったらCADのハードを設計者が修理していた、電話も通話が出来ないときも総務の人が来ていろいろチェックし直した事があったが、外部に依頼せず自分のところで修理してしまう能力とスピードにはいつも驚かされます。

 

[日]

  ソウルの事務所にてホテルの自動化systemのソフト開発に関して打ち合わせる、この方面の事業がやっと順調になってきた。

 

[23日]

  日本からのお客さんと工場にて打合わせをし、製品説明と工場案内のあと購入を前提にした今後の品質確認とスケジュールを決めました。本日はこの会社にとって実りある一日でした。

 

[24日]

  台湾のメーカーと製品のOEMの交渉をしました。若い副社長が来社、副社長は英語、日本語、が堪能であったので日本語で打合せを行いました。この日もいろいろな話が前進しました。今後に期待できそうです。5月には責任者を派遣する予定。

 


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