ベトナムへの道

2000年2月

韓国中小企業のオーナー経営者の強いリーダーシップとグローバル感覚に付いては日本の中小企業経営者も見習うべきところがあります、特に日本の中小企業はグローバル意識があってもビジネスの行動に結び付かないことが多いようです、韓国中小経営者の逆境にも負けない粘り強さにはいつも感心させられます。

オフィス
ベトナムの販売事務所
今回訪問の目的は5年前に開設した販売拠点の現状調査と拡充計画の立案のためでした。アジアの経済危機以降ベトナム経済も低迷が続いています。3年振りの4回目のホーチミン市への訪問でした。

相変わらずオートバイが道一杯に通行していて喧騒と煤煙が充満していましたが、これに負けないエネルギッシュな人々の様子は以前と変わっていませんでした。この中で白いアオザイの女学生の姿がひときわ清楚な感じを受けました。


女学生のアオザイ姿です

3年前に宿泊したホテルの価格は100US$/泊でしたが今回は55US$/泊になっていました経済の縮小を物語っています。しかし日本食堂の主人の話では日本人観光客が最近増えてきて昨年より店の売上は増えてきているという話もありました。

ベトナム語、英語、日本語が堪能な韓国人2名と英語も韓国語も駄目な日本人の3人の5日間のベトナム珍道中でした。

1.現地の状況

従業員4名でそれなりに拡販に努力しているが今のままでは販売量も少なくなりメリットが少なくなって来ている。対策として考えられるのは低い人件費、真面目さ、器用さを活用しノックダウン生産を検討したい、当初は部品支給し半年後に部品の現地調達も行う。

月当たり人件費: Manager=200〜300US$
worker =40〜45US$
Bonus =年1回、一ヶ月分

2.現地企業の現状

10会社を調査しましたが外資との関係のある企業は品質的にも問題なさそうである。しかしローカル企業の中にはまだまだ品質的に問題がある企業が多い。
  • A社(金型・プラスチック成形)は日本の資金100%でManaging Directorは日本国籍をもつベトナム人である、このような日系企業は技術的レベルが高い。
    金型製造設備は全て揃っている(NC、放電加工、Wire Cut/MC、)台湾製が多いが、放電加工機はスイス製が2台入っていた。
  • E社(プレス加工)は台湾企業団地内にあり、売上高8億US$/年・従業員は500名の台湾企業である。副工場長は日本人で日本式管理を指導していて設備や管理レベルは韓国の中小企業のトップクラスに相当する。
    部品発注先としては品質面では問題ない、金型のメンテナンスも問題ないがコストがどうなるかが気になるところである。日本人の話では現地ローカル会社より1.5倍くらい高い筈であると教えてくれた。

    プレス
    プレス工場内部(5S運動も日本式)

  • 表面処理は現地化の時の盲点になることがある、このP社は資本金の60%は日本からの投資である。
    殆どのメッキ加工が可能である、排水処理設備も完備していて韓国の小メッキ企業よりもレベルが高い管理をしていた。


    メッキ会社内部

帰国後Vietnam Projectの推進計画を立案しオーナー社長に報告しましたが、社長いわく「まかせます、よろしくお願いします」の一言でした?・・さてベトナムへの道は遠いのかそれとも以外に近いのか当事者の熱意と行動で決まります。

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