■風と青空と故城(ウルムチ・トルファン)

 

◆ウルムチ
   上海から飛行機で5時間ウルムチ空港に着く、空港から一歩でるとヒヤリとした空気と風を感じた、これが西域の風かとも思う。昨日は雪もぱらついたそうで上海との気温差と時差に中国の広さを実感した。ウルムチでのことわざに「朝綿入れを着て昼には薄物を着て夜はストーブを囲んでスイカを食べる」というのがあるそうで・・・この地域の一日の激しい気温差を表している。ウルムチとはモンゴル語で「美しい牧場」という意味だそうです。今日のぬけるような青空はとても美しい、またここにある博物館には「楼蘭の美女」といわれるミイラがあると聞いた。多分心の清楚なウルムチ美人と美しい牧場が今でも実在しているに違いないと思う。

 晴れているが風が強く冷たい、この程度の風はこちらではごく普通で台風並の強い風になることもよくあるそうです。トルファンを出発してしばらくすると草原の中に見渡す限り風力発電のプロペラが並んでいるのを見ることができた。なるほどこの風を利用して無公害の電力を得ているのかと荒涼とした風景と近代的な発電設備が妙なコントラストを描いていた。

 しばらくすると周りの景色が変わった。「廻りに見える山は天山山脈です」と説明があった。この地方では、雨が降ると雨が地下に吸い込まれず洪水となってしまうことが多々あるそうです。それにしても一面の乾燥地帯で洪水が襲ってくるということが実感できないが途中の高速道路の途中では洪水で流された場所を修理をしていた。お土産屋兼休憩所で降りると冷たい風が身を切るように吹き付けてきた。青空の下に一直線の高速道路、その両側には見渡す限りのゴビの灘、日本では見られない風景を眺めながらバスはトルファンに到着しました。

 

◆トルファン
 

 火焔山を左手に少し行くと高昌故城に到着した。玄奘三蔵が天竺への途中2ヶ月ほど滞在した高昌国(531〜640年)の城跡でおよそ2平方キロの広さがあるそうです。駐車場についたとたんに小学生くらいの女の子数名が民族衣装で「千円・千円」と日本語で鈴を売りに付きまとってきた。その一方で千円札を中国元に両替してくれという男がいます。女の子の鈴売りは可愛いのでつい買ってしまう人が多いが彼女たちはきちんと小学校へ通っているのだろうか?かわいい衣装と化粧で日本人客に取り入る姿を見ていると裏側にいる大人の商魂を考えてしまう。

 

 
どこまでも続く砂漠の中の道路
高昌故城での可愛い子供に頼まれると・・

 

 高昌故城からの帰りに日干し煉瓦を積み上げた家が並ぶ町の十字路でバザールに立ち寄った。市長の発案らしいがこのような地元の生の交流体験はとても貴重でした、衣服や野菜、ガラクタのような金物の販売から羊の生肉を2〜3匹下げて販売している風景などを見物した。途中で羊肉の焼き鳥屋台があり早速市長自らがウイグル族の焼き鳥屋さんに変身して串焼きをふるまったが・・なかなか美味しい味でした。

 火焔山はトルファン盆地の中部に位置し、日中の暑さはかなりのものです。東西100km、南北10km、海抜500m、山頂は851mでハゲ山になっています。見渡す限り草木も無い荒涼とした世界が広がるばかりで、シルクロードの旅の厳しさが伝わってきます。 

 ここで突然、記念写真を撮るからラクダに乗れと言われ初めて乗ってみました。ラクダの背は意外に高く、ラクダが歩くたびに大きくゆられてしまうので、振り落とれないかと、目の前のコブに必死でしがみついて何とか写真のモデルになることが出来た。この山では日中気温が40℃を超えると地表温度は70℃以上にもなるそうです。激しい炎が立ち昇るようにみえると聞いたが現地に立ってみると想像していたより温和な感じで山肌もあまり赤く無く熱さもそう感じないのは季節のせいかなと思った。西域の風に吹かれ砂と青空を眺めつつトルファンに戻りました。

 トルファンは盆地なので夏は猛烈に暑いそうです。カレーズという地下水脈のお陰で水は豊富で果物が特に美味しいところです。とくにハミウリや葡萄が有名です。淡黄色のハミウリは上品な美味さがりました。トルファンでの物価はタマゴ1s=5元(80円)、リンゴ3個=5元、羊肉1s=20元(320円)。ここで昼食に食べたうどんは日本と同じ味の一品でした。なぜここにこのようなうどんがあるのか、とても不思議に思いました。

 

バザールで販売している羊肉
顔立ちは上海とは少し違う回族の女性
市長が焼肉屋さんに変身した姿
火焔山ではラクダに乗ったが・・

 

 トルファンには、高昌故城と交河故城という二つの故城があります。「高昌故城」は政治経済の中心でしたが、「交河故城」は、西域の軍事の塞として発展し一時8000人が住んでいたと記録にあるそうです。二つの河に挟まれているので「交河城」の名が付いたのでしょう、広さは東西300メートル南北1500メートルのまるで軍艦のようです。中央に役所と上層階級の住居、北に寺院、南に商人など一般住居と分けられていたようです。またこの遺跡の特徴は、台地の岩に家や寺院などの下部を掘り込み上部に日干レンガを積んでいく工法で岩に家を彫刻したと言われます。同じ廃墟でも「高昌故城」よりしっかりとした感じをうけました。お土産売り場に50元(800円)の日本語解説CDがあったので購入た。

 

葡萄の取り入れ、冬は枝を土の中に埋める
高昌故城から下をのぞく
トルファンでの民俗芸能
関戸さんが羊肉を料理??

 

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