2007年11月

日本でメッキ会社を経営しています知人のO氏が今回新しく開発しした鉄ークロム合金メッキとメッキ-窒化系表面熱処理をアルミニウム金型(鉄メッキアルミ金型)への応用について韓国の金型製造・プラスチック成形会社を訪問し、PRと今後の進め方について打合せを行いました。この新しい技術開発が日韓の間で成功して小さな日韓協力のビジネスモデルになればと願っています。

 ご承知の通りアルミニウムは鉄に比べて軽く(比重が約1/3)、熱の伝わりの速さは凡そ3倍です。換言すると軽くて熱を逃しやすいという特徴を持っています。しかしその反面、機械的強さは劣っています。例えばアルミ圧延材の引張強さは軟鋼の約1/8で機械的強さは劣っています。見方を変えて、摩擦、摩耗は何れも表面で起こる現象であり、素材の強さが不十分であっても、表面が然るべき性質を持つものであれば十分機能材料として活用できます。

 この考えに基づいて古くは硬質アルマイト(陽極酸化処理)が利用され、最近ではプラズマ窒化、PVD(物理的蒸着法)、イオン注入等の手法を活用して表面改質処理が行われています。今回の新技術はアルミに鉄をメッキをするという新しい表面硬化技術です。

◆鉄メッキをしたアルミ金型の特徴
 
  1. 金型製作が容易で短納期で低価格である。
  2. 金型の熱放散が早いので成形サイクルが短くなる。
  3. アルミ金型は従来数千ショットで寿命となり試作金型として使われているが鉄メッキによる硬化処理を表面に施すこ  とにより10万ショットまで寿命を延ばせる可能性がある。

以上から中量生産用の金型としての利用価値があると考えられるので今後は実用化のための金型会社と成形メーカーとの共同研究を推進したいという話しで合意しました。

本件についてご興味があればメールにてご一報くだされば紹介いたします。

 
アルミ金型に鉄の部分メッキを施す
部分メッキ部(中心以外)は10〜15ミクロンの鉄層
スライド部にも鉄メッキ
成形したテストサンプル品
実用化のテストをすることで合意した(韓国の金型、成形会社にて)


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