韓国の中小製造業は良く言えば小回りの利く機動的な経営です、しかし言い方を変えるなら「物作り」に拘らない利益重視の経営スタイルかもしれません。
「鶏口となるも、牛後となるなかれ」という諺があります。史記にある文章で、戦国時代、蘇秦という人が、秦国に脅かされた六つの小国に対して、「大きな牛に征服されて従属するより小さい鶏としてでも独立国でいるべし」と、お互いの結束を説いた訳です。これが現代的には、「大きな組織の中で従うよりも、小さい組織でも先頭にたって活躍するべきである」という意味になります。中国と違い島国の日本では同じようなことを「鯛の尾より鰯の頭」と言ったりします。
私が今まで経験した韓国人気質はこの諺がぴったり当てはまるようです、今の会社でTOPからの強い指示命令を受け結果が評価の全ての中で苦労するより、小さくても自分の会社を起業しそこで挑戦して見たいと思うのは人情です、問題は考えるだけで行動に移せるかどうかですが私の周囲には果敢に行動に移す韓国人が多いのです。
昨年末に退職した技術担当理事は現在は友人と携帯電話関係のプリント板の製造会社を起業しそこで数十名の会社の社長として頑張っているようです。この7年間に製造部長がパレット製造会社を、生産部長が食堂を、品質保証部長がコンサルタント業をそれぞれ起業の為退職して行きました。どちらの道が将来の展望が開けるのか解りませんが挑戦し行動する姿をみると若さと強い独立心を感じます。起業のために退職する人とは逆に事業に失敗して社長から我社の幹部になった人もいます、これらの現象は外部からは悲壮感などあまり感じられないように見えるのが不思議です。 |