日光・男体山
2011-7-15
   
 百名山の一つであり栃木県の最高峰だから一度は登らなければと思っていた山が日光・男体山(標高2,486m)であった。天気予報で晴れるとなったので山仲間と二人で早朝4時半に出発した。6時に開門の太鼓の合図が聞こえたので車から降りて日光f二荒山神社中宮祠社務所に行き、入山料500円を納め御守りと案内図を頂いた。6時15分に登拝門から登り始めたがこのルートは標高差1200mであり山頂までは直登で厳しい登り道だった。
登山データー
(登山ルート)
登山日:2010.7.11 天候:晴れ 山仲間と2名
二荒山登山口(6:15)ー四合目(7:40)ー六合目(8:40)-八合目(10:15)ー山頂(11:20〜12:00)ー
四合目(14:00)ー二荒山登山口(15:40)

 
中禅寺湖からの男体山

登頂時間は目標の4時間に対して下記のごとく5時間であった。
 一合目 二合目   三合目  四合目  五合目
6:25 6:40 7:00 7:40 8:13
    
六合目 七合目 八合目 九合目 頂上
8:40 9:30 10:15 10:52 11:20
この何合目というのは登山の難易度により,頂上までを目安として十分割したものだと言われている!。      
登拝門をくぐって登り始める 2会目付近は熊笹の中
 
 登拝門から石段を登り切ったところに一合目の石碑があり、ここから自然林の緩やかな道を登って行くと左側に二合目の石碑があった。朝の爽やかな空気に包まれ新緑の中の道をしばらく登って行くと舗装道路に出た。ここが三合目であった。九十九折りのアスアルト道路を40分ほど登って行くと鳥居が見えた、四合目だ。
 
 登山道入口と書かれた大きな看板が不釣り合いに出ていたがここからが本格的な登山道になっている。急な山道を登るが朝の爽やかさにつられて最初から早めに登ってきたのか息が苦しい・・ゼイゼイと呼吸をしているのを聞いて同行のFさんが心配して大丈夫か声をかけてきた。

 今日は自分自身もどうも体がシャキットしないので登頂は無理かなぁ〜と思わず弱音を吐いてしまった。ともかく登れるところま登ってみようと少しペースを落としてもらって登った。
四合目にある鳥居 五合目付近から白根山方面を望む
 登り始めたから2時間半ぐらいでやっと六合目付近まで登った。ここまで登ると体が順応してきたようで気分が良くなってきた。背後から中高年の夫婦連れが追いついて来たので暫らく会話を交わした。この夫婦は来週に北海道の山を登るための体馴らしのために茨城から来たと言って通り過ぎて行った・・・奥さんの方が旦那を引っ張っているようで先にどんどん登って行った。

 急な道を登ってきたのだが、ここからはもっと容赦ない急峻な登りとなった。時々岩場に赤いスプレーで矢印が書かれてあるが1メートルくらいの岩がゴロゴロしている間を登っていく・・・吹き出す汗を手拭いで拭きながら・・・。

 休憩しペットボトルの水を飲んでふと登ってきた道を振り返ると急な山道の向こうに美しいエメラルドグリーンの中禅寺湖が見えてほっとし疲れも一瞬なくなるようだ。
 
眼下に美しい中禅寺湖が見えた
八合目で大休憩する  傾斜が緩くなった九合目付近だ・・・ 
 
  浮石などに注意しながらガレ場を登るが少し登って休むという繰り返しで・・もうヘトヘトモードに突入した・・・本当につらい。疲労はとっくに頂点に達していたが突き動かしてのは登らなければという意志だけだ、下山しようなどとは全く考えもしなかった。

 八合目には瀧尾神社という小さな祠があった、ここで大休憩し塩飴を放り込んで水分補給する。ペットボトルの水は既に一本を飲みきり二本目になったが・・・三本持ってきたので水分補給は十分で問題ない。八合目からは、きつかった登りも少し緩やかにった。しかし今度は脚が前に進みにくくなってきた。木陰で休みを繰り返しながら登り続けた。

 九合目を過ぎるともうすぐですと励まされながらゆっくりと登る。山頂が近いと思うと気分的に少し元気が出てきた。回りの樹木は低木となったが木陰を作ってくれ助かった。それでも階段の登りが疲れた体にはキツイ、時々立ち止まり、息を整えながらゆっくりと歩いた。階段が終わると・・・赤い砂礫となり・・・滑りやすいので注意して登る。
 
すぐ山頂が見えてくるという・・ガンバル 
 
 二荒山神社奥宮の鳥居が見えてきた。やっと・・本当に・・やっとの山頂だった。鳥居の奥に奥宮本殿がありここで無事に登頂できたことに感謝のお参りをした。

 山頂には20名ぐらいの思ったより多くの登山者が休んでいた。殆どは志津乗越方面から登ってきた登山者のようだ。今年の5月5日の開山に1192回目の登山を達成している田名網忠吉氏(83歳)が今日も登っているという話を麓で聞いたので出会えるかと期待したが会えなかった。後で解ったことだが既に登頂を果たして下山して八合目の瀧尾神社の庵で仮眠中にすれ違ったようだ。

 山頂にある一等三角点の向こうにの岩場に大きな逆鉾が立っていた。ここに登り男体山最高峰の記念写真を撮った。この太刀は群馬県の赤城山方面に向けてあるということだった。逸話の大ムカデと大蛇の戦いと関係あるのか?。

 山頂での昼食はコンビニのムスビだがなかなか美味しく感じた。隣に座った20代後半の山ガールとの会話が面白かった。女峰山に登ろうとしたら小熊と野猿に出会って怖くなり、男体山に登って来たという、また結婚したら子供は4人生むから少子化など心配しないでということだった(笑)。

 涼しい山頂からの中禅寺湖や周囲の山々の眺めと湧き上がってくる雲の動きの様のなんと素晴らしいことか!!苦労して登って来ないと味わえない至福の時を過ごした。

逆鉾のある岩に登って 山頂からの太郎山と中禅寺湖
 
 苦しい山登りだったので達成感は格別だった
 
 この山の標準的な登りの時間は3時間らしいが、社務所で頂いた案内書には登りに4時間、降りに3時間と書いてあった。ところが私の場合は登りに5時間、降りに4時間だから非常に大変な山歩きだったのだ。
一時は無理かと思ったがともかく辛くても頑張って登り続け山頂に立った時の達成感と爽快感は格別で思い出に残る山登りであった。

 この男体山の初登頂は782年3月、勝道上人によって果された。「終にその頂を見る。恍恍惚惚として、夢に似たり、寤むるに似たり・・・一たびは喜び、一たびは悲しみ、心魂持ち難し」とその時の様子を僧空海が書いた文章を紹介しているのが深田久弥氏の「日本百名山」の男体山の章である。
山仲間のFさんのお蔭で無事下山出来た


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