2010.7
 
   天気は晴れて気温が上がり猛暑になりそうな日だった。ソウルから車で2時間の忠清北道と慶尚北道の境界にある俗離山(ソンリサン)を登ることになっている。

 俗離山は、その名の通り俗から離れた山深い所という意味がある。この俗離山系には1000m前後のピークがいくつかあり2006年10月に一番高い天皇峰(チョンワンボン:1058m)を目指して登ったことがある。本日は標高1054mの文蔵台(ムンジャンデ)のピークまで往復5時間半かかるというコースを選んだ。

 日本から来た友人の山口さんと韓国人2名の「ウンギル会」と名付けたメンバー4名が俗離山国立公園の駐車場に着いたのは午前11時ごろになってしまった。猛烈な暑さなのか、時間的に少し遅かったのか、賑わっているはずの登山客は少なく閑散としていた。昼食のチョッパル(豚足)はペーさんが昨晩から準備したようなので食堂街で水、辛ラーメン、マッコリを買い込んで直ぐに出発した。

 入山料は一人当たり3000ウオンだったが65歳以上は無料なのでその旨話したら証明するものが欲しいという・・帽子を取って白髪頭を見せて確かにもう65歳以上だと説明したら・・いいだろうということになった。(笑)

人影のない俗離山国立公園の駐車場への入り口(10:50) 俗離山の位置(クリックで拡大)
入山料券売所 法住寺の山門(11:04)


 駐車場から20分程度で、名刹・法住寺(ポッチュサ)に到着する。寺の境内はとても広く、大きな伽藍が並んでいる案内図を見ながらこの寺の見学は帰りに立ち寄ることにした。ここから舗装されたダラダラ道を30分くらい歩くと休憩所が現れた。

 道はここで分岐しており右は以前登った天皇峰へのコースで左が文蔵台へのコースだ。文蔵台から尾根道を巡る周遊コースになっているので尾根伝いに歩きたいが今日は時間がないので残念ながら往復することになりそうだ。



分岐点で・・(11:45)
石段と岩の山道は急登が多い
 


 分岐点で一休み、ここからは急な登り坂になる。何人かの登山者がすいすいと我々を追い越して行く、年配者も若者も韓国の人は足が速い。一人のオバサンと一緒になったがこれから文蔵台まで登り、そこから尾根を歩いて降りるという。近くの清州市から来た人だから時間は余裕があるのだろう。

途中の休憩所を通過し・・ 巨大な岩陰で涼む・・(13:23)
 


 今日はかなり何故かキツイ山登りになった、歳のせいか?マッコリを入れたザックの重量のせいか?このまま山頂まで行けるかなと不安を感じていると・・・若いペーさんがマッコリと大きな冷蔵ポットを持ってくれた。

 峠の茶屋のようなところが三箇所ぐらいあったが最初の店に居た60歳代のオバサンは毎日ここまで
登ってくるというからビックリだ。

整備された急な石段が多い山道(13:33)
 
 ゆっくり登っても息が切れて連続して登れない、休み休みでにやっとムンジャン台の尾根に出た。ここから名所にもなっているムンジャン台という高さが30mもの大きな岩に登る(14:00)。

 この岩を目指して登って行くと途中でペーさんと金さんの韓国人は早くも戻ってきた、昼食の場所を作って置くからと言って降っていった。

 岩の山頂は頑丈な鉄柵で囲まれていたが、ここからの四方の風景は何も遮る物はない。窪みに雨水が溜まっているので滑って落ちないようにしながら写真を数枚撮ったが、時計は午後2時になっている、空腹と共に空腹でくらくらしながら岩場を降った。

ムンジャン台の広い尾根に出た(13:57) ムンジャン台の漢字の文字
文蔵台の上で・・(14:13) 同行の山口さん

 
 昼食はいつものマッコリで乾杯しチョッパル(豚足)だ、そしてお湯を沸かして辛ラーメンを食べたが・・・いまいち食欲が無い。やはり山登りは少しでも我慢は禁物だ、休みたくなったら休み、食べたくなったら食べなければいけない。

 昼食を食べ終わるとすでに午後3時を過ぎてしまった。山頂のよく整備されたトイレに立ち寄ってから縦走コースを歩いて戻る道もあったが・・やはり時間もなく、それよりその気力もなく登って来た道を戻ることにした。

山頂での昼食(14:50) 冷たく冷やしてマッコリで乾杯


 急な山道を降るのは誰でも苦手だ、特に私は皆さんより遅れてしまう、途中で写真など撮っているとかなり引き離されてしまった。登る時は気がつかなかった大きな岩など降る時に気がつく違った風景がある。約1時間でオバサンの居た売店まで降りた、ここで冷たいジュースで一休みだ。

 法住寺に近づくと左手に流れている渓谷沿いに降りた。冷たい渓流に素足を入れて足の疲れを取るのが韓国人のいつものスタイルだ。ゆっくり休んで登山口近くにある法住寺(ポッチュサ)の韓国一の青銅弥勒大仏を拝んでから先行した韓国人2名が待っている駐車場に向かった。

登る時は気がつかなかった岩(15:40)
売店で一休み(16:16)
渓流に足を浸すのが韓国人の疲れ回復策(16:50)
法住寺の青銅弥勒大仏(17:30)



 法住寺から暑い中を山菜や薬草類を道端で売っているオバサンの店を見ながら駐車場に着いたのは午後6時になっていた。出発してすぐに現れた正二品松を車の中から見学してソウルに向かった。

朝鮮王朝7代目の世祖が俗離山へ行幸したときに王座の籠が松の枝に行く手をはばまれたところ、みずから枝を上げて
王様一行を通したという。その後王様から正二品(大臣)の官位を下賜したという「正二品松」。

高さ15m、幹の回り4.5mの樹齡600年以上で天然記念物103号として保護されている。

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