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馬籠・妻籠く--(9月20日) |
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一人旅は孤独だが旅先で出会う人には印象に残る出会いがある。今回の旅でも中津川市のホテルに近いカフェのマスターと会話した。栃木県の那須から来て馬籠までバスで行って妻籠宿まで歩こうと計画していると話をしたら、馬籠に行くなら「落合の石畳み」を歩かなくちゃ!と勧められた。
色々な資料を出してバス停に「木曽路口」というのが途中にあるからそこでバスを降りて歩いて馬籠宿に行くべきだと教えてくれた。中津川駅前に停車中の馬籠行きのバスの運転手に話したら同じように「木曽路口」で降りた方が良い、停留所を教えてやるよとの返事だった。出会った人すべてが親切で暖かい、これが「おもてなし」ということだろう。
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コーヒー店のオーナー |
サンドイッチとコーヒー |
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駅前には馬籠行の外国人が集まっていた |
勧められたバス停で降りた |
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「木曽路口」のバス停で降りて近くの家で洗濯物を干しているおあばさんに挨拶したら、この色の付いた道通りに行くと馬籠に行けるよと教えてくれた。田舎の人は親切だ。(9:30)
「歴史の道 中山道」という案内板があった、落合川を渡り十曲峠という少し急な坂道を登るようだ。曲がりくねった十曲峠への坂道を登りきると山中薬師(医王寺)という寺があったので旅の安全を祈願した(9:40)。
先を歩くと中山道「落合の石畳」の看板があり入り口になっていて石畳は840mの長さで国指定史跡となっていた。石畳の道は多少歩きにくいが癒しの空間の雰囲気が助けてくれた。
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時の流れが止まったように感じた石畳の道(10:00) |
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石畳の内の約70mは当時のまま残っている場所が途中の案内板にあった。当時のままの石畳が残るのは東海道の箱根とこの落合の2ヶ所だけのようだ。
足を踏み入れてみると深い森に覆われた石畳の道はとても風情があり上を見上げれば深い森に覆われ足元は苔むした石。決して明るくないが時折、葉の間から差し込んでくる日光がとても神々しく感じた。
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当時の石畳が残ってい部分(70m) |
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石畳の先を少し歩くと新茶屋という広くなっている場所に出た、右手の高台に駐車場があったが道は真っすぐ伸びていた。ここには一理塚、美濃と信濃の県境碑、島崎藤村が揮毫した「是より北 木曽路」の記念碑、芭蕉の句碑などあった。
眺めていると、外国人家族が近づいて来たので、コンニチハと挨拶したら地図を出して「木曽路口」まで歩くというイギリスから来た家族だった。カタコト英語でバスが少ないと話したら承知しているようだ、ネットで調べてあるのだろう。二人の小中学生の子供2名にバイバイと言って別れた。(10:30)
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藤村の「是より北 木曽路」の碑 |
子規の句碑 |
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新茶屋から10分ぐらい登ると展望の良い所に正岡子規の句碑「桑の実の 木曽路出づれば 稲麦かな」があった。ここは撮影スポットになっていて眼下に棚田や中津川市街が見えた。ここから馬籠宿まで1.1kmの案内板もあった(10:50)。
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遠くに中津川市を望む |
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「中山道 馬籠宿」江戸へ八十里半、京へ五十二里半と書かれた道標が立っている馬籠宿に到着した(11:05)。歩き始めたのが9時半だったので約1時間半ぐらい坂道を登って来たことになる。
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馬籠宿の道標 |
馬籠と言えばここの場所が有名 |
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「馬籠宿」は、木曽11宿のひとつで街道が山の尾根に沿った急斜面を通っていて、その両側に石垣を築いて家を造っていることから「石畳と坂のある宿場」というのが特徴らしい。
確かに坂を登って歩いて行くとネットで見覚えのある水車と坂の道があった。旧街道の姿がよく残され、歴史を感じる石畳の道を行くと左側に藤村記念館があった。島崎藤村生誕の地であり小説「夜明け前」の舞台でもある記念館で藤村の残した数々の作品・資料・遺品を見て回った、藤村が子供時代の部屋も残っていた。
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藤村記念館 |
藤村の子供時代の勉強部屋 |
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脇本陣資料館ではこの馬籠宿は過去四回の火災殆ど焼けて現在の建物は明治以降に作られた建物だとあった、江戸時代当時の建物が多く残っているのは隣の妻籠宿になることも解った。
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ここにも外国人 |
尾根の坂にある馬籠 |
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食堂に入って昼食の信州蕎麦と五平餅を食べながら・・さて、妻籠迄歩いて行くか、疲れもあるからバス時間を待って峠まで行きそこから歩くか考えた。
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馬籠本陣裏手には当時の石垣が残っている |
信州蕎麦とごへーもち |
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馬籠宿から妻籠宿へ標高801mの馬籠峠を越えて約8km歩くが峠までの高低差200mmは辛いし体力も不安があったので馬籠峠までバスを利用して峠で降りてから約2時間歩いて妻籠宿に行くことにした。
右側には切り込んだ谷の向こうに小説「夜明け前」に出てくる恵那山(標高2192m)の全貌が良く展望できた。
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恵那山がよく見えた |
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