大宇(デウ)自動車は有力日刊紙に「日章旗対大宇自動車」というコピーの全面広告を一斉に掲載した。まるでサッカーの試合を連想させるような日章旗と大宇自動車のロゴを比べたこの広告は「大韓民国に大宇自動車がなくなってもいいのですか?日本車もいいけれど・・・」という意味が込められている。
日本の歴史教科書のわい曲から始まった“反日感情”を“大宇自動車支持”に利用したのだ。韓国の広告業界に“反日マーケティング”が流行している。伝統酒の製造会社である錦山(クムサン)人参酒も今月11日付のある新聞に、「小泉総理は気の毒だ」、「良い酒を飲んでいれば暴言をしなかっただろう」という内容の広告を掲載した。また、韓国通信は先月からテレビで放送されている“メガパス”のコマーシャルで、李舜臣(イ・スンシン)将軍が亀甲船(コブッソン)を指揮し、日本の船と推定される敵の船を撃沈させるシーンを放送している。
“反日広告”を掲載した会社はその効果に非常に満足している。大宇自動車の関係者は「韓日関係を直・間接的に示唆する内容を含めたせいか、反応が良い」と述べた。クムサン人参酒の関係者は「これからも日本が暴言を吐く度に、『正気に戻れ』という内容を込めた広告を出すつもり」だと明らかにした。
反面、日本風の広告を出していたり、日本の雰囲気を出した広告を企画した会社は、世論の顔色を伺って広告を中断したり、変更したりしている。日本食料理店を背景に、着物を着た俳優を登場させたコマーシャルを6月から放送していたあるハンバーガーチェーンは、反日感情が強くなるにつれて企業イメージが落ちることもあり得ると見て、1カ月でこのコマーシャルを中断した。
“韓国広告自律審議機構”は最近、日本の歌舞伎風の化粧とヘアースタイルの女優を出演させていたある化粧品会社のテレビコマーシャルに対し、内容の一部を修正するよう要求した。余りにも“日本の色”が濃いというのがその理由だ。広告自律審議機構のヨ・ドグァン代理(30)は、「製品の性格とは関係なく、日本の雰囲気が出ている場合、“放送不可”か“条件付き放送可”の判定を下ろしている」とし、「教科書のわい曲問題が激化するに従って、“日本風”の広告が著しく減った」と述べた。
私はこのような異常とも思える韓国民の感情は日本に対し何のインパクトにならないしこのような世論に便乗した“反日感情”を利用した広告は一歩間違えば国民世論を誤った方向に導く可能性もあるということを懸念している。
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