2017.9

 朝鮮半島の中央部にある大田(テジョン)広域市は人口約150万人の韓国では5番目の大都市である。現在は原子力や宇宙開発、生命工学などの研究所が集中して科学技術都市として発展している。この大田市に住んでいる古くからの友人である「Hong-Jae Lee」氏から私にも登れる山として紹介してくれたのが「鶏足山(ケジョルサン:430m)」だった。

 昨晩は力を付けるためテジ(豚)カルビを沢山食べて山登りに備えたが・・当日はあいにくの雨になってしまった。ソウル郊外の光明駅から8時15分発の高速鉄道(KTX)で46分で大田駅に到着したら李氏が我々のコーヒーまで持参して出迎えてくれた。
 
▲前日の夕飯はテジカルビ ▲当日の朝食はスープの入ったパン
 
 大田広域市の西には名山・聖山として知られた鶏龍山(ケリョンサン845m)がそびえている筈だが今日は見えない。この山は2005年に登っているのでその時の記録がある。(こちら)

 李さんの車で小雨の中を約20分で登山口の駐車場に着いたが駐車していた車は2台のみだった。しかしここまで来て引き返せない。幸い霧雨になってきたので登ることにして雨具を着て出発した。(9:40)。

   
 ▲登山口から登る  鶏足山のコース(クリックで拡大) 
 
 この山にはファントッキル(黄土の道)と呼ばれている素足で歩く健康トレッキングコースが整備されている。地元の酒造会社のオーナーのアイデアで観光化の一環として投資したようで現在では韓国内では有名になり「ファントッキル祭り」などが毎年開催され外国人も参加するようになりその効果が出ているようだ。

 駐車場から登り始めると道幅の半分は黄土が敷き詰めてあり、半分は一般の登山道になっている。出発して約一時間ぐらい登って行くと右側に東屋があり、その正面には急な木道階段が続いていた、ここを登るようだ。

▲休憩所にて ▲休憩所から急階段を登る
 
 急な階段だから一気には登れない、休み休みながら登り、その後の少し山道らしい道を登ると山頂にある城跡が霧の中に浮かんで見えた。鶏足山城だ!現在でも発掘改修工事は続いているようだ。

 
▲霧の中から浮かび上がった鶏足山城

▲山頂の説明板前にて
 
▲元気なポーズと言われたが・・ハート形にするのは難しい

 山頂で李さんが持ってきてくれたパン食を食べて稜線を回るトレッキングコースを歩き始めた。約1時間歩くと小高くなった峠に出たがソンジェ山と名が付いた表示板があった。このピークから山道を下って行き、分岐点に出たのが13時頃だった。

 ここから黄土の上を素足で歩きましょうと李さんの提案。他の同行者も健康に良いからと言って登山靴を脱ぎ始めたから仕方なく同調し靴を脱いで素足になった。

▲稜線の途中の夫婦樹 ▲ソンジェ山とある峠
▲ここから裸足に!  ▲黄道をドンドン歩いて行く、歩くのが早い! 
             

 素足で歩いたのは子供時代だがいつだったか覚えがない。恐る恐る歩き始めた姿を見た李さんが心配そうな感じだ・・・黄土の道は昨晩の雨を吸い込んで柔らかく滑りやすい、滑らないようにしなくてはならないので歩き始めはかえって疲れた。

 女性の同行者は歩くのが速い、とても付いて行けない、転ばぬように緊張の連続だ。危なっかしい歩き方を見て靴を持ってあげると李さんが申し出たが断った。

 こうなったら意地でも最後まで歩こうと思って歩いているとだんだん歩くのに慣れてきた。慣れてくると足元が気持ちが良くなってきたのが不思議な感覚だ。


             ▲李さんが側面の山に登って撮影してくれた、山仲間の同行者と共に
 
   ▲四人家族というオブジェの前にて 
 
 李さんは靴を脱がないで転ばないか心配して側についていてくれたが私の歩き方が安定してきたので先にいったり山に登ったりして写真を盛ん撮ってくれた。

 下る道が急になっている場所ではぬるぬるして足を取られそうで困ったがステッキを貸してくれたので助かった。分岐点から5kmの距離を一時間ぐらいで登山口近くにある足洗い場まで歩くことが出来た。
 

▲足の洗い場 ▲登山靴を履く
▲山頂付近で撮った草花

 山頂付近の草花は日本でも見たことがあるが名前まで思い出せない。霧雨の中の小さな花には毅然とした生命力の強さのようなものを感じる。




▲KTX大田駅

大田市駅に降りたときは小雨になっていたので天候次第では大田市の探索をすること
にしたが幸い小雨が霧雨模様になったので鶏足山を登ることが出来た。

李さんには登山コースがいろいろある中を案内してもらったり登山口までの往復まで
配車していただいた上に食事やお菓子のお土産までいただき深く感謝したい。

同行し案内してくれた韓国の友人にも感謝!!

▲李さんと私と同行してくれた山仲間、KTXホームにて



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