2012.8
 
   江原道(カンウォンド)、洪川郡(ホンチョングン)にある加里山(カリサン:1,051m)は山頂に岩山が突き出ている変わった姿をしている山である。ソウルから新たに完成した春川高速道路で約2時間の場所に加里山自然休養林という場所があり若者や家族連れなどが宿泊し自然の学習が出来る場所が登山口になっている。

 熱中症に注意のニュースがあったが韓国人の山仲間と一緒にこの山の麓にある駐車場に、朝の9時に到着した。入り口では入場料7000ウオンを徴収された。登山ル―トは3時間半の中間コースを登ることにした。

加里山の山容、山頂には岩の峰が三つある
   
 太陽が昇り気温が上昇し今日も暑くなりそうだ、駐車場から登り始めると渓流にそってバンガローなどが並んで若者が宿泊している様子である。山道が段々きつくなり汗が吹き出てくる、ゆっくり歩いているせいか2時間登ってもまだ尾根に出ない。もう少し登れば尾根に出そうな雰囲気になったが疲れてきたので丸太椅子のあるところで休憩することにした。

 三角キンパを食べキュウリやみかんなどで鋭気を養った後に30分も登るとやっと稜線に出た。山頂を目指して緩やかな登りの山道を歩くと右手に貯水量が韓国最大のダム湖である昭陽湖 (ソヤン湖)が見えた。この辺りはツツジが多く花の季節にはすばらしい山になるかもしれないと感じたが今は青葉ばかりである。

長い登山道を登る   稜線の手前で休む
稜線にはクヌギの古木! 遥かに昭陽湖 (ソヤン湖)が見えた

 
 12時20分にやっと山頂の岩山下に到着した。ここから岩山を登るルート標識が出ていたが歩き始めて3時間経過したので・・・相棒の金さんが岩山には登らずに「このまま下山しようか?」との疲れた顔になっている我が身を思いばかっての提案があった。

 折角ここまで来て山頂である岩山に登らない訳に行かない、この岩山は1峰から3峰と三つのピークが並んでいるのだ、中央の2峰へのルートを鉄パイプで出来た安全柵につかまりながら慎重に登った。

 踏み外したら大怪我だろうし、命の危険もあるから時間はかかってもゆっくりと確実に登って行くと・・・意外にあっさりと2峰の頂上に出た。

安全パイプに掴まり慎重に2峰に登る
 
2峰から今まで登って来た稜線を眺める
 

 
 2峰のピークに立ってみると隣にもっと高い岩山が見えた、あれが1峰だと確認して、まず3峰に登ってからと思って岩道を登ってゆくと途中で大きな岩に行く手を阻まれた。無理をせずに引き返して1峰に行くことにした。

一段と高い1峰を眺め、3峰へ行こうをとしたが途中で岩に阻まれる
 


 一番高い1峰へは一旦急降下してから岩に打ち込まれた安全パイプを伝わって頂上に立つことが出来た。加里山の山頂を示す石碑にたどり着いたのは13時となっていたので歩き始めて4時間が経過していた、暑さと長時間の歩きで非常に疲れたが達成感は格別である。

                       やっと加里山山頂に辿り着いた・・ハァ〜・・
            山頂から眺めた風景は今までの苦しさを忘れさせる
 


 10分ほど休んで下山を始めた、降りは楽だが一時間も降ると膝が痛くなった、ちょうど看板が出ていたので読んでもらうと松とくぬぎが根元は別だが途中で合体している二本の木があった。同じ種類でない樹木が合体して生きているのが珍しいようだ、2000年に親に反対されて結婚できない若い男女がここまで来てお互い抱き合って祈ったら結婚が出来たというので以来「愛の木」として有名になっているという。

「愛の木」としての名所 渓谷を渡る
渓谷に素足を浸し疲れをとる 緑が輝く渓谷


 ここからまた1時間降ると渓谷を渡る場所に出た、ここまでくれば駐車場は近い。いつものように素足になって冷たい渓谷の水に浸し顔を洗って休んだ。

 暑い日であったが森林の中は汗は出るが気持ちのよい空気を吸い込みながら麓の駐車場に着いた時は15時であった。山登りは苦しいが自然林の樹木が発散するフィトンチッド(生物活性物質)を浴び生きる力を山から貰ってトータル6時間の山歩きが終了した。



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