2008.10
 
 
 江原道江陵市の西の五台山国立公園にある五台山(オデサン:1563m)を登った。ソウルから京釜高速道路(1号線)で下り新葛(シンガル)JCTで嶺東高速道路(50号線))に入り東海岸方面に向かう。2時間ぐらい走ると東海(日本海)近くにある陳富(チンブ)IC である。ここで降りて30分ぐらいで五台山の麓にある月精寺(ウォルジョンサ)に到着した。

 五台山(オデサン)は中国山西省の仏教聖地である五台山と同じく文殊菩薩の聖地のようだが主峰の昆盧峰(ビロボン:1,563m)の他に海抜1400〜1500メートル級の5峰が連なり縦走コースも有名である。

 ふもと近くの月精寺(ウォルジョンサ)付近で入場料を一人1600ウオンを支払い、10km余りの山道を登っていくと上院寺(サンウォンサ)という寺の隣に大きな駐車場があった。案内板を見ると山頂まで約3kmの距離で高低差900mぐらい登るようだ。今日は近くの東海(日本海)の海岸で新鮮な刺身料理を食べることになっているので山頂までの往復である。

 靴紐を締め直しているとバスが到着した、中から多くの年配者が降りて来たがおばさんが圧倒的に多い。お寺に行く人々と一緒に整備されたブロク石が敷き詰められた道を登って行くと前を行くおばさん達が立止まって右側に向かって拝んでいる、その方向には仏舎利塔があった。

登山する人とお寺に行く人が出発 修復完了近いサジャ庵
韓国特有の極彩色の屋根 石段の先には小さな寺に多くの人々が・・
老師の説教が始まった
熱心に聴く参拝者、女性が多い
 
 ぞろぞろと登って行くと渓谷に架かった橋があり、渓谷沿いに荷揚げ用のモノレールのレールの鉄条が見えた。橋を渡ると急勾配のジグザグの山道になった。道は整備されているが年配者には大変な体力が必要であろうと思うがおばさん達はゆっくりと登り始めている、信仰は大きな力を生み出すのかもしれない。

 石段の道端で休んでいるおばさん達を追い抜いて登ると修復が終わったばかりのサジャ庵という名前の大きな寺が完成まじかであった。橋のたもとにあったモノレールはこの寺の建設資材を荷揚げに使用したのだろう。形こそ伝統的な極彩色の仏閣建築だが躯体はほとんど全てコンクリート建築であった、これほど立派な建造物を造るだけの財力は信者からの寄進であろうか、日本では考えられない。

 この寺を過ぎてもまだ登ってゆく老男女がいる、道はブロク石が並べられていたり石段になっているが勾配はかなり急である。紅葉にはまだ早いミズナラとアカマツの林の山道を登ると左側の石段を上がった所に「寂滅寶宮(チョマルホグィン)」という寺があった。

 寂滅宝宮の由来は新羅(643年)の高僧の慈蔵律師が唐から持ち帰った仏の真身舎利を安置した殿閣で韓国仏教の聖地と聞いた。ここは標高1300mの高さであるが老人から一般人まで参拝客が絶たない寺のようだ。興味があったので左の石段を上がってみると大勢の信者の前で老師が説教をしていた、今日は何かの記念法要であろうが同行した金さんは二人ともクリスチャンで全く興味を示さない。多分この老師はお釈迦様の心を説いているようだがさっぱり解らない。

石段の連続 石段のと木段が頂上まで続く
 
 お寺の階段を降りて左に折れ曲がるともう登山者だけで人影も俄然少なくなった。ここから山頂まで木段、石段が切れ目なく続き私にはかなりキツイ登りであった。

 潅木の中の階段ばかりの登山道は単調で余計に疲れる感じで、10段ぐらい登って呼吸を整えまた10段登って立ち止まりの連続で・・・やっと視界が開けた所が山頂であった。2時間20分で最高峰毘盧峰(ピロボン)に到達したことになる。

山頂から見た穏やかな山並みと縦走路
前方の山へ続く縦走路
五台山(オデサン:1563m)山頂で記念写真 オーストラリアから来たご夫婦
 
 山頂には何故か日本語が堪能なオーストラリヤ人夫妻が昼食中でいろいろ話をして思わぬ国際交流が出来た。彼らは韓国語は全くダメで明日は雪岳山に登ると言ってたが全て英語で不便は感じないようだった。
上院寺(サンウォンサ)の鐘楼 月精寺(ウォルジョンサ)の国宝・八角9階石塔
 
 私たちは昼食後に直ぐに降ったが急な階段で今度は足腰がガクガクしてきたが何とか約1時間半で降り、新羅時代(705年)に建てられ韓国で最も古い梵鐘(国宝36号)が保存されている上院寺(サンウォンサ)を見学してから駐車場に戻った。

 月精寺(ウォルジョンサ)はモミの並木でも有名らしい、韓国ではモミ林はここ以外にないと聞いたが本当だろうか。この寺は新羅時代の宣徳女王12年(643年)に慈蔵律師によって建てられ、文殊菩薩の道場として名高く文殊が知恵の象徴であることから学業成就に霊験がある菩薩として信仰を集めているのでこの寺には多くの人が都会からも訪れるという。

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