2007年1月

 

  韓国の霊山といわれている太白山(テぺクサン:1567m)は江原道と慶尚北道の境にあります。三国史記に「新羅に聳える太白山を三山五岳中の1つである北岳として祭祀を捧げた」という記録があるそうです。冬期には氷雪が作る美しい自然に人気があり多くの登山客を集めています。

  朝7:00時ソウルからMISAYEON山岳会(韓国語)のバスに乗って4時間で登山口に到着です。急な坂道をロープ伝いに登ろうとしましたが道が凍り付いていてツルツル滑ります。山岳会のリーダーからアイゼンをつける様に指示がありリックから出して装着しました。サク!サク!と凍りついた雪にくい込む音を聞きながら登って行くと数分で柳一寺(ユイルサ)コースの売票所です。今年から国立公園の入場料は無料になりましたが文化財観覧料は支払わなければなりません。

 
バスで4時間の太白山
登山ルート(クリックで拡大します)
ソウルの教育大学前から出発、7時でもまだ暗い
アイゼンを付けて 一列で登り始めました
例年より雪が少ないようです
大勢の登山客で満員のユイル寺付近
   前を行くオバサンの足元を見ながら息を切らし1時間ぐらい登ったでしょうか柳一寺(ユイルサ)に到着です。ここには3方向からの登山コースが集まるので人、人、人で登る順番を待つような混み具合です。

 冬は岩山は危険であり、雪の風景が楽しめる山は韓国では少ないのか、土、日にはこのように満員状況になるのです。比較的登り易いと言われているユイルサコースですから60歳代後半の人も多く見受けられました。バスで一緒に来たオバサン3名は66歳だと言っていたが皆元気そうでどんどん登って行きます

稜線に出ると風が非常に冷たい
立ったままオニギリを食べて出発する
最高峰の将軍峰
天祭壇の記念碑前の人混み
山頂の将軍峰から天祭壇を望む
   頂上は寒いからと友人の勧めで少し手前で立ったまま「おむすび」を食べ、ジュースを飲んで最高峰・将軍峰(チャングンボン)に着いたのは出発してから2時間でした。気温が低く長い時間ここに留まることは出来ません。すぐに天祭壇(チョンジェダン)のある峰まで寒風吹きすさぶ尾根を歩き出しました。

 自然石を積んだ天祭壇は幅が7、8mで高さ3mぐらいの大きさであったが大勢の人が冷たい風を避けて集まっています。近くに高さ、3mの「太白山」の碑があったので登頂記念の写真を撮りたいと思うがなかなかスペースが空きません。一人で撮るのは諦めて人ごみの中の碑だけの記念写真でした。

 一体気温は何度ででしょうか風が突き刺すように痛い。ここに留まっていても仕方が無いので尾根を縦走するコースと堂谷(タンコル)に下がるコースのどちら行くかで少し迷った末、縦走コースは寒さがキツイのですぐに堂谷(タンコル)コースで下山することにしました。

下山途中の「おでん」屋で一休み
炭鉱の閉山後の観光用博物館
   少し下がると望鏡寺(マンキョンサ)という寺に出ました。登山客と参拝者でここも満員状態です。雪道の下山もアイゼンのお蔭で滑らずに約1時間でバスの待つ麓の堂谷広場まで降りました。ここ太白市はかっては石炭で栄えた所ですが今は石炭博物館もあり太白山を中心とした観光で町おこしをしているようです。1月24日末からは「太白山雪祭り」が開催されるので石像の製作も進んでいました。

 今日の登山客は一体何人になるのでしょうか。登山向けのバスだけでも2,3百台集まっているようです。山も静かに休みたいだろうに多く登山靴に踏み荒らされ可哀想な感じさえしました。

樹木に水を掛けて凍らせたものらしい、観光用です。


   

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