98年4月
組立外注会社の指導に出かけました。30代の若い社長と奥さんを含め従業員5人の会社で、住宅用ビルの地下室(広さ約10坪)が作業場でこの会社の全てでした。ここでオバサンがブレーカー部品のカシメ作業をやっていました。
外注会社というより家庭内職と言ったほうがピッタリですが、発注側が中小企業であるからまあこんなものかと考えました。
- 外注化の主な目的は日本と同じコストダウンである。社内加工費率が6600W/h(660円)だが、この会社は3600W/h(360円)である。単純に計算して45%のCDが出来る訳だ。しかし問題は「品質の維持」ができるかどうかである。私の外注指導は整理、整頓を徹底的にやることと良否の判定、作業標準どおりの作業をしているかなど、基本的なことを継続的にやってもらう事に重点を置いています。
どの会社でも問題点の指摘内容に付いてはよく理解してくれるが後でフォローアップに行くと指導した事が守られていない、これに対しては粘り強く「繰り返し、繰り返し」指摘し実行させる以外にないと思っている。
- 不良品は「赤BOX」にいれることになっている。覗いてみるとニッパー、ピンセット、針金のクズが入っていた。このような場合、指摘に対する作業者(アジュマ=おばさん)の返事は共通していて「忙しいので」とか「私がいれたのではない」とかなんだかんだと言い訳が多く、日本より自己主張が激しい、間違った事に対しては言い分けも解るが「すいません」とか「これから気を付けます」とかの返事が欲しいものだ。
- 部品の置き方、完成品の区分と表示、部品箱内のホコリの除去、不良品の廃却など一つ一つ理由を説明したつもりであったが、相手のオバサンの顔を見ていると「何と細かい事を言う日本人だ」と思っている顔つきだった。
それでも「いつかは私の言う事を理解し、実行してくれる時期がくる筈と思いつつ帰還した。
|